プロジェクト:1人1人が力を発揮できる未来へDX推進部が描く姿とは
2022年、東京貿易ホールディングス(以下TBH)に新しく設立された「DX推進部」。デジタルリテラシー向上のためのプログラムや、各社で取り組まれている改善活動の表彰の主催など、社員全員に成長の機会を提供し、より活躍できる会社作りを目指した取り組みを行っています。
今回は、TBH DX推進部から、部長の益田瑞文さんと、共にプロジェクトを推進する木村大士さん、岸田翔子さんの3名にご参加いただき、プロジェクトにかける思い、プロジェクトを通した成果や変化、新たに見えてきた兆しなど、じっくりとインタビューをしました。
目次
・DX推進部について
・MDLPとTOMAX AWARDS 二大施策の取り組みについて
・DX推進部が考えるこれからの東京貿易グループ
・取材を終えて|広報部より
DX推進部について
まずは、DX推進部が設立された背景を教えて下さい。
TBH益田さん:東京貿易グループ(以下TB-GR)の経営戦略の一環として新しく設立されたのが、DX推進部です。日常の様々な業務を効率化することで、各々が本来持っている能力を存分に発揮し、さらに活躍できる人材を育成することを目指して、様々なプロジェクトを実行しています。そのひとつとして欠かせないのが、DXの推進です。
DX推進部専任のメンバーは、私、木村、岸田の3名。加えて、グループ各社からメンバーが集まり、それぞれの現場で起こっていることや課題感を共有しながら、施策を立案し、プロジェクトチームとして活動しています。
DXというと、業務をAIに置き換えたり、デジタルツールの導入など、業務を効率化するといったことをイメージするかと思いますが、それは一部にすぎません。TB-GRではDXをすべて顧客起点で捉え、「1.より深く顧客を知り、2.顧客の課題解決を、3.顧客や取引先との連携を深めて最適化した業務プロセスを通じ、4.競争優位に提供するために、5.コンピュータとネットワークで作られた論理空間上に、企業をソフトウェア化すること」と定義しています。
論理的思考力を基本としたデジタルリテラシーを高めることで、業務の中でデジタル技術を駆使して効率化できる部分はどこなのか?逆に、時間を割くべき部分はどこなのか?本質的な課題に向き合った時に、どう乗り越えるかを考え、デジタル化を含めた具体的な施策に落とし込んで実行する力こそが重要。この考えが根底にあります。
こういった思考力を社員1人1人が磨くことで、グループとしての総合力があがり、既存の枠組みにとらわれないイノベーションが起こっていく。それを目指しています。
どのような施策を行っているのでしょうか?
TBH益田さん:DX推進部には3つの柱があります。
第1の柱は、グループで働く社員全員にデジタルリテラシーを身に付けてもらうこと。DXって、誰かがやればいいというものではないんですよね。会社で働く全員で取り組んでいかないと、デジタル技術を使って新しいビジネスモデルを創造したり、業務プロセスを改善するための議論ができず、高いパフォーマンスが発揮できません。つまり、経営者も含め、グループ全員がDXについて同じレベルで理解をしていないと、DXは完成しないのです。
そのために作ったのが「デジタルリテラシー習得プログラム(MDLP:Mastery Digital Literacy Program)」です。これは、グループ内の全社員が受講することを目指した教育・研修プログラムです。受講することでDXにまつわる知識はもちろん、基本となる論理的思考力が鍛えられるものになっています。
第2の柱は、現場で行われている改革・改善活動を共有する風土作りです。「TOMAX AWARDS」という表彰の場を年に一度設けています。グループ内では日々様々な業務改善が行われていますが、自分の担当範囲を超えた場所で何が行われているか知る機会をつくることで、お互いに刺激し合ったり、新しいヒントを得るなど、有機的な場になればと考えています。
第3の柱は、推進の支援です。各現場でDX推進や改善活動をしていく上で課題になっていることに対して、ノウハウの共有や実行の補佐、体制の構築など、DX推進部としてサポートしています。
知識や考え方を身に付けグループ全体のリテラシーを高めること。各現場の活動を共有し合う風土を作ること。そして生まれた様々な活動の支援をしていくこと。この3つが、DX推進部の活動の軸となっています。
MDLPとTOMAX AWARDS
二大施策の取り組みについて
MDLPとは、どんなプログラムなのでしょうか?
TBH木村さん:MDLPは、全社員のデジタルリテラシー習得に向けた教育・研修プログラムです。論理的思考をベースに、データ構造化、ITツール利活用、データ解析、業務の磨き上げといったそれぞれのスキルを高めていくことを目的としています。
講座のレベルは大きく「わかる」「できる」「教えられる」の3段階に分かれています。
「わかる」講座は、グループ全員が受講できるよう、e-Learning形式。場所を問わず受講でき、常に全員が受講している状態(100%)を目指しています。
「できる」講座は、集合型研修にて実施。ビジネスゲームを通して、ある会社の問題点の特定と改善にグループワークで取り組むなど、学びを実際に活かせるようにします。その後は、データの数値化や図示化、分析方法などを体系的に学んでいきます。更には、業務の中で扱っている情報をデータとして捉え、構造的に表現する方法や、それに必要な論理的思考を習得します。ここまでが1つの講座の流れとしています。
「教えられる」講座は、これらの内容を教えられるレベルに習得している人材が、各組織にいるという状態を目指すというハイレベルな講座となります。
受講した社員からは、どのような感想が届いていますか?
TBH木村さん:「課題の整理について今まで曖昧だったことが明確になった」「現場にいる全員が同じ目線で議論できるようになり、改善のスピードが高まった」などの声が届いていて、手応えを感じています。
それ以外にも「できる」講座はグループ各社から社員が集まって行うので、「他のグループ会社の社員から興味があった仕事の話が聞けた」と、グループ交流の場になっていることも嬉しい感想でした。実際に、講座で一緒になった別々の会社に属する社員同士が、その後も社内で会話をする様子を目にすることもありました。グループ内が活性化するきっかけになっていくといいですね。
TBH岸田さん:私自身はこれまで事務の仕事をしていたのですが、目の前の業務に一杯になっていたんです。でも、DX推進部に異動して、特にこのMDLPを受講することで多くの気付きがありました。業務改善って業務が煩雑な部分をシステム化することだと思っていたんですが、そうではなく、そもそも現状のプロセスの中から、まず無駄なところを整理して誰もが最適な手順で業務をできるようにし、必要に応じてシステムを導入していくことが最も意味があり、それこそがDXであると気付いたんです。
一緒に「できる」講座を受けた人も同じような感想を持った方が多くいました。これがもっと広まれば、グループ内への波及効果は非常に大きいと感じています。
TOMAX AWARDSは何を表彰する場ですか?
TBH岸田さん:TOMAX AWARDSは、前身となるBusiness competitionが2022年に始まり、そこから数えて今年で3回目(TOMAX AWARDSとしては今年で2回目)。第1回目は日頃使っているOffice365を活用した業務改善アイデアを募りましたが、2023年からは形を変えて、実際に成果がでている業務改善の取り組み・ノウハウをグループ内に共有する場となりました。
TBH益田さん:日々の業務の中に、改善できることは多く潜んでいます。だからこそ、そこにもっと注視して取り組んでみよう、というメッセージも込めて、2023年からこの形にしました。
TOMAX AWARDSはどのように実施されていますか?
TBH岸田さん:
流れとしては、まずはグループ各社から実績を上げた業務改善の取り組みを応募してもらいます。それに対して、TOMAX AWARDS のプロジェクトチームが内容を精査して、よりよいプレゼンにするための改善点をフィードバックします。応募者はさらに内容をブラッシュアップした上で、最終選考の場に臨む形になります。
最終選考では、最も優れた案件に大賞を。選考基準に沿った特別賞が4点選ばれました。
今年からは、一般投票や、最終選考のプレゼンを視聴できるブースも設けました。社員自ら評価する機会と各社の取り組みを直に視聴することで、TOMAX AWARDSをより身近に感じてもらうことが狙いです。
3回目の今年、エントリーされた内容に変化はありましたか?
TBH木村さん:1件1件の重みがかなり増しています。応募案件の内容のクオリティもあがっていますし、プレゼン自体も全体的にスキルアップしているなと感じました。これまでに他の応募者のプレゼンを見て、参考にしたり、コツをつかめたりということもあるのでしょう。声の出し方、資料の見せ方などもハイレベルになっていました。実際、予行演習にも力をいれたという話も聞いています。
TBH益田さん:去年と比較すると、全体がぐっとよくなっていて、驚くほどでしたね。これまでの応募案件は個人的な取り組みが多かったのですが、部署の枠にとらわれない活動や、複数の部署で協力して進める取り組みも増えてきました。課題設定の視座は高く、視野は広く、視点は複眼的になっているのも感じ、手応えのある内容ばかりでした。
これだけ多様な業種が集まっているグループならではの様々な取り組みが生まれています。TOMAX AWARDSはまさにそれを共有する機会であり、今年の応募案件に刺激を受けて、また来年新たないい案件が生まれることを期待しています。こういった好循環を作る機会として、TOMAX AWARDSを育てていきたいですね。
DX推進部が考えるこれからの東京貿易グループ
DX推進部のメンバーが抱く思いとは?
TBH益田さん:一番は、1人1人に仕事を楽しんで欲しいんですよ。私はグループ内の様々な人と会話をする機会を持つようにしていますが、とても面白い人ばかり。それぞれにやりたいことがあり、実現できる力もある。だったら、今、目前にある仕事をもっと効率的にすることで、その分自身の希望する仕事や新しい挑戦に力を注げるようになって欲しいと思っています。DXの推進はひとつの有効な手段。グループで働く社員全員がより高い視座を持ち楽しく仕事に取り組めるよう、全力を尽くしていきたいですね。
TBH岸田さん:私はTOMAX AWARDSの取りまとめを行っていますが、グループ各社から届く案件を目にすると、「こんな新しい取り組みがあるんだ」「これはグループ内の多くの会社に取り入れられそう」と、すごくワクワクするんです。普通に過ごしていると自分以外の仕事について知ることって無いですが、知る機会が増えればそこから気付きや発見が生まれることが必ずあると思うんです。グループ各社の素晴らしい取り組みを、さらに広く伝えていくためにどうすればいいのか、DX推進部がどのような施策を実行するべきなのか。私自身ももっと考えていきたいですね。
TBH木村さん:私自身、IT畑で主に基幹システムに関わってきて、システムの安定稼働を念頭にキャリアを積んできました。しかし「人の成長」に関わる今、多くの気付きがある新鮮な日々を送っています。考え方や物事を見る視点は人によって様々で、一律的な正解はありません。簡単ではないのですが、グループで働く人々が日々の仕事を楽しくしていくきっかけを作りたいですし、私自身も成長を感じられる仕事ができていることがとても嬉しいですね。
DX推進部の目指す姿とは?
TBH益田さん:これから大きな成長期を迎えるTB-GR。この成長を実現するのは、間違いなく社員1人1人の力です。そのためにも働く人には、熱意をもって様々な挑戦をしてもらいたいと思います。
やるべきことに集中できる環境の整備はもちろんですが、仕事への考え方、課題に向き合う視点など、それぞれの意識をより高めていけるようDX推進部としても様々な施策を実行していきます。
TB-GRと志を共有し、自分を磨き、世のため人のためになる仕事をすることで、会社も人もともに成長していく。そんな場を作っていくことが、DX推進部の目指すところです。
挑戦できる仕事をしたい、仕事を通して成長したいという方が存分に活躍できるTB-GRへ。ここで一緒に頑張ってくれる人を増やしていきたいです。
取材を終えて|広報部より
今回はTBH DX推進部の3名に、現在行っているプロジェクトについて、お話を伺いました。
「DXとは業務の一部がデジタル化される」という話ではなく「ひとりひとりがデジタルリテラシーや論理的思考を持ち、業務を効率化し、やるべき価値ある仕事に向き合う時間が増えること」「DXは社員ひとりひとりの成長の結果成し遂げられるもの」という話を聞いて、今後DX推進部から生み出される施策にますます期待が高まりました。
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