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東京貿易グループ紹介:多様性でエネルギー業界に進化を  元海兵隊×アーティスト ポワドヴァンCEOにインタビュー

フランスからスタート人生が、アメリカやインド、ロシア、中東、そして日本へ。

東京貿易グループのエネルギーインフラストラクチャーセグメントCEO、Laurent Poidevin(ローラン・ポワドヴァン、以下ポワドヴァンさん)。

 

元水泳のオリンピック強化候補選手、元フランス海兵隊員、アーティスト、という多彩な経歴を持つ彼は、常に情熱を原動力に、さまざまな場面で自分を磨く「成長」を重ねてきました。東京貿易グループは今、さらなる事業拡大に向け、社員一人ひとりの「成長」を後押ししています。彼の豊かな経験と挑戦はリーダーとして社員にインスプレーションを与えています。

 

本記事では、ポワドヴァンさんのキャリア・人生の軌跡、エネルギーインフラストラクチャーセグメントとして描く未来を紹介します。

目次

・アート・スポーツ・エンジニアリング。好きがキャリアの起点

・「Everyone is in the same boat」-アメリカで見たオーナーシップ

・「挑戦」を求めて辿り着いた、日本という選択

・120か国以上を訪問。「あらゆる人を好きになれること」は大きな学び

・始まった変革期で描く、これからのエネルギー業界の展望とキャリア

 

  • PROFILE

    Laurent Poidevin / ローラン・ポワドヴァン
    エネルギーインフラストラクチャー セグメントCEO 
    TBグローバルテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長

    ■ エネルギーインフラストラクチャーセグメントとは
    東京貿易グループを構成する4事業領域のうちの1つ。電力・ガス・石油などの安定供給を支える設備や機器を提供し、LNG・アンモニア・水素など次世代エネルギーにも対応。国内外で持続可能な社会を支える重要な役割を担っています。

アート・スポーツ・エンジニアリング 好きがキャリアの原点

海兵隊時代、駐屯していたドイツにて

インドでの市場開拓に勤しんだ30代

幼い頃、彼を夢中にさせたのは、アート。隣家に住む有名な画家が住んでおり、製作中のキャンバスに色が広がっていく瞬間を、壁をよじ登って何時間も飽きずに眺めていました。

 

そんな男の子がどのように、世界へと飛び出していったのでしょうか?

 

ポワドヴァンさん:アートが大好きだった一方で、機械工学にも強い興味があり、まわりの子供が漫画を読んでいる中で、母に自動車雑誌の購入をねだるほどでした。車の分解図を模写する、兄の中古車を自力で分解・整備するなど、興味があることに時間を忘れて没頭できる子供でした。 

 

大学卒業後は、自分の強みであるスポーツやエンジニアリングを活かせると考え、海兵隊で2年間勤務。

 

特殊部隊へのオファーもありましたが、その後に最初に海洋ローディングアームの製造したフランス企業LUCEATの技術マネージャーとなり、エネルギー産業に参入しました。入社後、すぐに LUCEATがFMCに買収されました。技術マネージャー・イギリスのサロムBPターミナル、インドやCIS市場、アメリカ・ヒューストン工場の責任者としてのマネジメントなど、人生が世界へ広がっていきました。

 

海兵隊で養った『不可能に挑戦する』というマインドは、自分がどのキャリアを歩んでいるときも、大切にしています。

 

“どれだけ困難でも、必ず突破口はある”という信念。

 

その精神は、エネルギー業界で世を相手に仕事をしたときも、何度も彼を支えました。

「Everyone is in the same boat」-アメリカで見たオーナーシップ

テキサスにて

中国での会食

ポワドヴァンさん: アメリカ・ヒューストンでの工場責任者の時の経験は今でも印象に残っています。

 

CEO・部長・リーダーなど、ポジションの壁がなく、工場メンバーは立場に関わらず「Everyone is in the same boat (=私たちはみんな、同じ船に乗っている)」という認識をもっていました。皆にオーナーシップがあって、何か問題があっても解決案をもちより、すぐ対処の決定が下せるほどでした。

 

例えば、大規模プロジェクトにおいて踏ん張らなければならない局面がありました。その日は家族との約束や予定がある人もいたのですが、誰も文句もいわず朝3時までかかって、仕事を完了しました。今の時代では考えられない働き方かもしれませんが、チームの力を感じました。

 

2週間後に契約もまとまった時にはCEOが来て、「今夜、皆さんは家族をレストランへ連れて行ってごちそうしてください。領収書を持ってくるのをわすれないようにね」と労ってくれました。まさにアメリカ流のコミュニケーションですよね。失敗を許さず、お互いに尊敬があり、約束を守るというプロとしての姿勢を持つ人々と働いたことは大きな学び・成長でした。

 

そんな経験もあり、私自身も会社の風通しを良くしようと社長室のドアは常に開けています。立場を超えて、社員の皆さんが相談しやすいようにできたらなと。

 

120か国以上を訪問。「あらゆる人を好きになれること」が大きな学び

ビジネスで訪れた国は、世界120ヵ国以上。これは数字としても驚異的。ただ訪れただけではありません。仕事を通じて各国の人々と向き合い、文化や価値観を体験し、その経験がポワドヴァンさんの中に積もり積もって、彼は1つの考えへとたどり着いたのです。

 

 

ポワドヴァンさん:出身地や宗教、文化に関わらず、「あらゆる人々を好きになること」が1番の大きな学びました。幸いなことに120ヵ国以上の異なる国をビジネスで訪れ、人がもつ大きな悩みなど、沢山のデータが私の中に蓄積されています。先日も、42ヵ国異なる人々が参加するMTGに出席したのですが、国は違っても、人間は考え方・姿勢など共通点が多いことを再確認しました。

 

 

また、社員の皆さんにもお話するのですが、自分の「安心できる領域」を一歩出て仕事に挑み、自分の能力の限界を知る。そして、新しいキャリアが自分の生活にどんな影響を及ぼすのかを理解できたとき、本当の意味で成長できるということです。仕事上の決断には、大きな犠牲が伴うこともあります。だからこそ、仕事とプライベートのバランスを取ることが大切です。

「挑戦」を求めて辿り着いた、日本という選択

東京貿易グループとの出会いは、実はかなり古く、1984年に彼が開発した技術「Closed Pigging System」を紹介するため初来日したのが始まりでした。

 

その後FMCを離れ、2年間はフランスで個展を開くなど“アーティストとしての時間”を満喫。ご自身の絵はなかなかの人気だったそうです。しかし、休息を味わうほどに、胸の奥に静かにざわつきが。

 

ポワドヴァンさん:「もう一度、挑戦がしたい。」そう思った矢先、過去に仕事をともにした当時の東京貿易マシナリー(TBGの前身)社長であった坪内氏(現:東京貿易ホールディングス代表)の顔が浮かび、新しい成長の地として東京貿易グループを選んだのです。

 

まず、コンサルタントとして着任し、マーケティングマネージャー → エグゼクティブオフィサー → 社長へとわずか5年で昇進。

 

ポワドヴァンさん:気づけば、妻と一緒に“日本での将来”を考えるほど、日本という国が好きになっていました。

始まった変革期で描く、これからのエネルギー業界の展望とキャリア

ポワドヴァンさん:業界として顕著なのは、電子化・自動化・ロボット化に向かっていることです。AIとデータセンターによる技術進化は飛躍的に加速する一方で、ローディングアームのような機械は標準化され、価格重視の市場になることが予見されます。だからこそ、資産管理・遠隔監視など、社会が求める価値を見極め、機能を付与することに勝算があると考えています。例えば、地震・津波などの災害時に、機器の状態を確認できるAIのプログラムは日本でも需要が高いと考えています。

 

常に変革に身をさらすポワドヴァンさんに成長の鍵をきいてみました。

 

ポワドヴァンさん:シナジーを生み出す鍵は、率直なコミュニケーションと信頼関係です。自分の殻を破って意見を交わし、お互いの強みを尊重することが大切です。

 

最後に、これからキャリアを歩む若い世代へメッセージをお願いします。

 

ポワドヴァンさん:今、エネルギー業界は大きな変革のまっただ中にあります。その一端を担えること自体が、大きな幸運だと私は思います。コンフォートゾーンから一歩踏み出した瞬間、人は本当の意味で成長します。学び続ける姿勢と情熱がある人には、いくつものキャリアチャンスが開かれるはずです。ぜひ、自分だけのビジョンを描き、この未来を一緒に形づくりましょう。

 

 

その言葉には、世界を舞台に、変化し続けることを恐れず、情熱をもち、チームを導いてきたリーダーだけが持つ説得力と温かさがありました。

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