先輩社員に聞く!
カーボンニュートラル・水素社会の実現に向けて世界初の技術に挑戦。
東京貿易グループのメンバーであるTBグローバルテクノロジーズ株式会社(以下TBG)は、1955年より約68年の間、油、LPG、LNGなどの流体荷役機械“ローディングアーム(以下LA)”の製造販売、アフターサービスを提供し、エネルギー社会への貢献を掲げ、国内・海外へ事業を展開しています。
今回は世界も大注目、カーボンニュートラル・水素社会の実現に向けた世界初の技術挑戦について、紹介します。
日本・世界が動き出すカーボンニュートラル・水素社会へ向けた動き
「水素」は、多様な資源から製造できるため、エネルギー供給・調達リスクの低減に資するエネルギーです。 また、「水素」は、再生可能エネルギーによる水の電気分解や、化石燃料と二酸化炭素の貯留・再利用技術を組み合わせることで、カーボンフリーなエネルギーとして活用可能です。多くの国がカーボンニュートラルの実現に向けて動き出す中、発電・輸送・産業といった幅広い分野の脱炭素化に資する、2050年カーボンニュートラル実現に向けた鍵が「水素」です。
注目される液化水素サプライチェーン
水素社会実装には大量の水素が必要となり、ここで注目されているのが液化水素になります。
液化すると体積を800分の1にでき大量のガスも効率的に運ぶことができます。
しかしながら、液化水素は-253℃というLNG-162℃に比べても非常に低く扱いにくい流体です。この低温流体に対して「つくる」「はこぶ」「ためる」「つかう」のサプライチェーン構想とその技術開発を世界に推進しているのが川崎重工業株式会社様です。
同社は、沸騰したお湯をこの二重構造のタンクに1カ月間入れておいても温度は1度も下がらないほどの高い断熱性能があるという“真空二重管構造”という技術を用いて、この液化水素サプライチェーンの構想を2010年に打ち出し、2021年には実証運用を実現してきました。
日本だけではなく世界の多くの国や企業から注目を集めています。
世界初の液化水素用LAの開発
TBGは、この液化水素サプライチェーンで必要となる液化水素用LAを2014年度より川崎重工業株式会社様と共に共同開発を開始、世界初の技術に挑戦したのです。そして2021年度には“液化水素用 ホース型LA(口径:6B)”、2022年度2月には“液化水素用 鋼管型LA(口径:6B)”の荷役実証を完了し、液化水素の荷役においては世界初の実績を納めることに成功したのです。
次なる挑戦:機器大型化開発と事業化へ向けた取り組み
技術実証を終え、次に挑む先は機器の大型化と事業化になります。
液化水素大規模サプライチェーン形成による水素コストの低減と水素発電を中心とした本格的な液化水素の流通開始が2029年度に予定されています。TBGは2023年度4月より “液化水素用LAの大型化(16B)”の開発に挑戦します。(開発及び実証予定期間:2023年度~2030年度)
次世代に繋がるカーボンニュートラル社会の実現を目指し、その一役を担う荷役ソリューションの開発・事業化に挑みます!
TBG 水素事業開発室 戸部・吉原