社員インタビュー:製品の可能性を切り拓くために歴史ある事業を新しいマーケットへ
歴史ある事業を多く持つ東京貿易グループですが、ただこれまでと同じ営業を続けていくだけではありません。現状に甘んじず、新たなマーケットへ開拓に挑む社員の姿があります。
今回ご紹介するのは、TBグローバルテクノロジーズ スイベルジョイント営業部の坂本さん。石油関連業界での用途が中心だったスイベルジョイントを新たに食品業界や海外市場へと広げている立役者です。全く異なるマーケットをどのように開拓していくのか、その方法から仕事をする上で大切にしていることなど、坂本さんの仕事に迫ります。
この記事でわかること
・スイベルジョイントとは
・従来の営業手法からの変革
・新しいマーケットを開拓するために必要なこと
・スイベルジョイントの可能性
-
PROFILE
坂本 亮人 Ryoto Sakamoto
TBグローバルテクノロジーズ株式会社
スイベルジョイント営業部
ITサービス企業を経て、2017年にTBGの前身となる東京貿易マシナリーへ入社。以来一貫してスイベルジョイントに携わる。デジタルマーケティングや展示会への積極的な出展など、新たな業界へのマーケット開拓を主導し、従来とは異なる営業スタイルを確立する。2022年にはチーフ、2024年にはリーダーとなり、部署を牽引する存在として活躍。
目次
・挑戦できる環境に身を置きたい
・新しいマーケットを拓くために
・新たな挑戦をする根底にあるもの
・取材を終えて|広報部より
挑戦できる環境に身を置きたい
製品力を武器に、新たなマーケットへ
新卒で入った会社では、コンピューターや監視カメラなど、ホテル設備のネットワークの導入やメンテナンスの営業をしていました。ホテル業界では、シェアがほぼ100%。非常に安定した基盤のもと事業を行っている会社でした。安定した環境でしたが、仕事をしていくうちに芽生えてきたのは「営業という仕事をするなら、もっと挑戦をしたい」という思いでした。既存とは異なる広いマーケットで、若いうちにチャレンジを重ねたいというのが、転職を考えるきっかけでした。
元々海外と関わる仕事をしたいという考えがあったので、転職活動は海外事業をしている会社を見ていました。その中で出会ったのがTBGの前身となる東京貿易マシナリーでした。他にも内定はいただいていたのですが、マーケットで高い信頼を得る製品を作っている点と、すぐに海外事業にも関われるという点が魅力でした。何より、これまで培ってきた製品力を元に新たなマーケットを開拓していくという会社としての勢いが決め手となりました。
スイベルジョイントとは?
入社後はスイベルジョイント営業部へ配属となりました。スイベルジョイントとは、直訳すると「回転継手」。ジョイントとは配管をつなぐ部品で基本的には動かないのですが、スイベルジョイントはつながったまま回転し動くのが特徴です。
TBGのスイベルジョイントの歴史は長く、主に原油が入っている貯蔵タンクの中で使われてきました。製油所の浮き屋根式タンクの内部配管に使われるスイベルジョイントでは、国内シェア90%以上を誇ります。貯蔵タンクの構造は、屋根が落とし蓋のようになっていて、中に入っている原油の量によって屋根が上下するという仕組みです。タンクは野外に設置されているので雨が降った時には屋根から雨水を排水する必要があり、その配水管にスイベルジョイントが使われています。原油の量で屋根の位置が変わるため、配管の位置を安全に動かすことができるスイベルジョイントが必要となるという訳です。
それ以外にも、大きなビルの地下にある配管にもスイベルジョイントは使われています。ビルの地下には巨大なゴムが入っていて、地震が発生した場合に共に揺れることで免震性を高めています。同時に、地下にはガス配管も通っていますが、その配管が地震で破損しないよう、動くことで揺れに耐えることができるスイベルジョイントが使われているのです。
このように原油やガスといったエネルギー業界で、スイベルジョイントは長く信頼を得て活用されてきました。
新しいマーケットを拓くために
デジタルマーケティングの可能性に挑戦する
スイベルジョイントについての業界知識・製品知識に自信を持てるようになった頃、新しいマーケット開拓のためどんどん新しいことをしていこうという動きが社内でも活発になってきました。TBGの主軸製品はローディングアームといって、海上のタンカーからプラントへ資源を移す装置であり、その主戦場はエネルギー業界。一方、スイベルジョイントは部品であるからこそ、エネルギー業界以外のマーケットでも受け入れられる可能性があります。マーケットがもっと広がっていけば、TBGのもう一つの柱になり得ると、私自身も考えていました。
ただし、当初はどの業界なら受け入れられるのかは未知数でした。そこで、私が取り入れたいと思っていたのがデジタルマーケティングでした。スイベルジョイント部門の営業は8人。これまでは既存顧客をフォローしながら、過去に取引のある企業を中心に、新規開拓をする営業スタイルでした。しかし、国内外無数にある企業に対し、新しく営業活動をしていくにはマンパワーに限界があります。もっと幅広い業界へ効率的にアプローチするため、WEBを活用したマーケティングは必須と考えていたのです。
主担当としてデジタルマーケティングの活用を進める中で、大きく推進するきっかけとなったのが新型コロナウイルスでした。従来型の営業活動が難しくなり、早々に進めていかなければとさらなる後押しになりました。
訪問による対面対応ではなく、WEBページによる非対面対応に。お客様のニーズによりWEB上で資料ダウンロードやメルマガ、問い合わせなど、様々な方法で対応できる形に。もちろん、国内用、海外用それぞれ専用の仕組みを構築しました。
それと同時に、国内向けには、イプロスというBtoBデータベースのプラットフォームの活用にも着手しました。スイベルジョイントは、工場がある現場ならどこでも活躍しうる汎用性を持つからこそ、どの業界をターゲットとするか難しい側面がありました。しかし、こういったプラットフォームをうまく使うことで、広く製品を発信することが可能となります。そこから反応があった会社に詳しく商談を行っていくという方法が確立され、これまでにない業種との取引が増えていきました。また、ここで多くの反応を得られた業種はそれだけ可能性が大きいということで、注力する業種の絞り込みの判断材料にもなりました。
WEBマーケを続ける中で見えてきたことは「お客様が関心を持っている」ところからのスタートということ。営業人員が少ない中でマーケットを拡大するには、いかに効率を上げるかが鍵となります。
これまでのように足を使ってあたるのではなく、まずWEBで製品を認知してもらい、興味を持っている企業へとアプローチしていくという営業スタイルへ変化しました。これにより、成約率は格段にアップし、新規の取引先は大幅に増えていきました。
幅広い業種の展示会へ積極的に出展
同時に進めていったのが、展示会への出展です。TBGのスイベルジョイントという製品を積極的に知らせていくために、様々な企業が集まる場へ自分たちも出て行くことが目的です。
デジタルマーケティングを進める中で問い合わせが多くあった業種を中心に、食品業界、化学業界、化粧品業界などの展示会へ出展しました。業種が違えば、魅力に感じるポイントも異なります。何が求められているのか、どうすればその業界に適した製品の魅力を伝えられるのか。それぞれの業界の方と直にお会いし、初めてTBGの製品に触れる方に魅力を感じてもらえるようプレゼン方法や資料を検討し、回を重ねるごとに経験値が高まっていく感覚がありました。
その中で一番最初にいい反応があったのが食品業界です。展示会のブースでも興味をもっていただく割合が多く、その後の問い合わせでも手応えがありました。
食品は製造工程が多く、原料も様々です。ベルトコンベアが次から次へと動いていき、短時間で多くの製品が生み出されます。例えばチーズの工場では、釜に原料を投入しチーズを溶かす際に蓋を開閉するのですが、これまでは配管がぶつかるため、工程ごとに外して入れ替える必要がありました。しかし、スイベルジョイントが接続されることで配管を回転移動することができるようになりました。また配管の着脱も容易になり、分解洗浄もスムーズになったという利点もありました。作業面、衛生面ともに効果があるスイベルジョイント。これまでのエネルギー業界とはまったく異なる食品業界ですが「これはいける」と営業活動に注力し、今では多くの食品関連の企業で導入されています。
導入企業が増えるほどに、様々な場面でスイベルジョイントの有用性が発揮されています。これは、新たなマーケットに参入したからこそ実感できることではないでしょうか。スイベルジョイントは今後もっと受け入れられ、幅広い業界の製造の現場で活用される可能性を、私自身も改めて感じています。
新たな挑戦をする根底にあるもの
データで実証し、熱を込めて伝える
スイベルジョイントのマーケティングの業務を整備し、存在感を高めてきましたが、仕事をする上で大切にしているのは、「根拠となるデータ」です。新しいことをやろうという時に周囲に納得してもらうには、その根拠は不可欠。常に冷静であることを心がけています。
しっかりとデータを集めて、正しい判断を重ねていくことで、周囲からの協力も得ることができますし、大きな成果につながっていきます。
一方で、お客様に対するプレゼンの場では自然と熱が入ります。お客様にとって新しい製品を導入することは大きな決断でもあります。だからこそ、TBGのスイベルジョイントが導入されることでどのような効果があるのか、熱意を持って話すことでしか伝わらないものがあります。特に、海外のお客様に対しては、言葉の壁もある分余計に力が入ります。
また、海外市場の開拓は、各国に営業パートナーである代理店がいるのですが、彼らとの関係性が業績の鍵を握ります。常に連絡を取り合いますし、頻繁に行き来もします。相手へのリスペクトをもとに密にコミュニケーションを取り、信頼関係を構築しています。
冷静かつ論理的に判断する部分。熱い思いを持ち感情的に向き合う部分。真逆ではありますが、私にとって仕事をする上でどちらも大切なものです。
これからの目標とは
世の中では国内市場は頭打ちと言われていますが、スイベルジョイントは可能性のかたまり。製造現場であれば多いに活用できる製品です。
今主にターゲットとしている食品業界はまさにマーケットが拡大している状態ですし、食品業界での実績を元に他業界へも広げていきたいです。海外市場に関しても、現状はエネルギー業界が中心ですが、まだまだ参入できていない国があります。現在、ベトナムでのプロジェクトが動いているのですが、ここはしっかりと取っていこうと、社内も一丸となっています。
スイベルジョイントを広げていく活動はまだ始まったばかり。国内の新しいマーケットで、海外の未開拓の国で、自分たちの手で実績を作っていく。そんな挑戦を、先頭に立って続けていきたい。それが私の目標です。
取材を終えて|広報部より
今回はTBGスイベルジョイント営業部で新たな営業手法を確立し成果を出す坂本さんにお話をお聞きしました。
TBGの製品はエネルギー業界で長く活用され、強固な基盤を持っていますが、それに甘んじることなく坂本さんが中心となって様々な挑戦をし、新しい営業スタイルを確立しています。データをしっかりと分析し周囲の同意を得る冷静さと、スイベルジョイントの可能性を信じ、マーケットを拡大していこうという熱意がそれを可能にしたのだと感じました。
今後、スイベルジョイントがどのようなマーケットに受け入れられていくのか、その広がりを私たちも追いかけていきます。
東京貿易グループでは、様々な活躍の場や、キャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。
Recruit 募集要項|東京貿易グループ / TOKYO BOEKI GROUP (tokyo-boeki.co.jp)
あわせて読みたい