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社員インタビュー:チームを束ね、顧客に向き合う ものづくり営業の醍醐味とは

東京貿易グループと鉄鋼業界の関わりには長い歴史がありますが、中でも日本アドバンスロール(以下JAR)は鉄鋼材をつくる上で欠かせない“鍛造ロール”を製造し、社会・経済の発展に寄与してきました。

 

今回登場していただくのは、JAR中国営業グループの野津田さん。西日本に拠点を持つ名だたる鉄鋼関連企業を担当し、それぞれの顧客との信頼関係を築き、大きな成果をあげています。

 

ものづくりチームの一員として、先頭に立って顧客と対峙する営業として、野津田さんがどのように仕事に向き合っているのか、ものづくり営業としての姿勢や考え方など、様々な角度からインタビューしました。

 

この記事でわかること

・鍛造ロールについて

・ものづくりに関わる営業のやりがい

・チームを束ねる営業の存在

・鉄鋼業界の今後の動向

  • PROFILE

    野津田 正彦 Masahiko Notsuda

    日本アドバンスロール株式会社
    営業部 中国営業グループ

    2019年JARに入社。広島県広島市に拠点を置く中国営業グループに所属。大阪・兵庫から九州は大分まで、西日本全域の製鉄メーカーを顧客に持つ。JAR製造部門の設計・開発、技術、製造、品質保証サービス部門の担当者と共に、製鉄業を支える鍛造ロールを顧客に届けている。

日本アドバンスロール株式会社 JAR とは?

鉄鋼、アルミニウム、銅、ステンレスなどの製造プロセスにおいて使用される高品質な各種鍛造ロールの設計、開発、製造、販売及び保守を行っています。

 

1953年に日立製作所の鍛造ロール事業として製造・販売を開始し、その事業を継承して2018年3月に日本アドバンスロール株式会社としての営業を開始。

 

2023年9月に東京貿易グループの1員となり、社会を支える様々な素材の製造過程で欠かすことのできない製品を作っています。

茨城県ひたちなか市にある本社工場

目次

社会を支える基幹産業に携わる

ものづくりチームの一員として、会社の代表として

・自分の仕事とこれからの鉄鋼業界

・コラム|癒やしの時間

・取材を終えて|広報部より

社会を支える基幹産業に携わる

憧れの業界へのチャレンジ

新卒で入った会社は、医療機器の卸商社でした。バルーンカテーテルやステントなど、心臓疾患を治療するための器具を循環器系の医師に案内し病院に卸す営業をしていました。人間の体の中でも非常に重要な部位である心臓に関連する医療機器を扱うやりがいを感じながら仕事をしていました。ただ、扱う機器は、他のメーカーがつくったもの。営業として、顧客の最前線に立つ者として、もっと自分の介在価値を高めたいという思いも芽生え転職活動をはじめました。

 

当初は医療機器メーカーを見ていたのですが、当時は社会人歴もまだ5年。どうせなら異業種にチャレンジするのもいいかもしれないとBtoBメーカーにも目を向け始めました。そこで出会ったのが、鉄鋼材を製造するための重要な部品である「鍛造ロール」を製造するJARでした。生まれも育ちも広島なので、製鉄・造船・車などの産業は身近にあり、国のインフラを支える仕事に憧れはありました。これまでの仕事との違いが大きいため戸惑いはあったのですが、暮らしや社会を支える仕事をしたいと、飛び込むことを決意しました。

鉄鋼を使ったものづくりに欠かせない「鍛造ロール」

「鍛造ロール」とは、端的にいうと、圧延機に組み込まれている鉄鋼を薄く延ばすのし棒です。陸橋やビルの建材から、車のボディ、飲料用の缶など、身の回りには鉄鋼から作られた様々なモノがあります。これらを作るためには、鉄鋼を板状にする、うすく伸ばすなど、鉄鋼をものづくりの材料へ形を変える必要があります。そのための部品が鍛造ロールです。鉄鋼といっても、含まれる金属の種類は様々で硬度も強靭性も異なります。素材の性質にあわせ、求められる薄さや寸法にする鍛造ロールを製造するには、緻密な計算に基づいた高い技術が必要となるのです。

 

私が所属する中国営業グループは、広島県広島市に拠点があります。大阪・兵庫から、岡山・広島・山口の中国地域、そして九州は福岡・大分まで、西日本全域にある製鉄メーカーを担当しています。すべて日本を代表する大手企業となります。

 

普段の仕事の中で最も重要なのは、信頼関係の構築。お客様にとっては、工場の安定稼働が一番重要なこと。鍛造ロールは製造に時間がかかる製品なので、納品した鍛造ロールの状態はどうか、メンテナンスや交換がいつ頃必要になりそうかといったことを、定期的に訪問し確認していきます。

また、それだけではなく、鉄鋼業界の最新動向や、国内外の競合ロールメーカーの製品情報など、お客様の欲しい情報をつぶさにキャッチし、丁寧に答えていくことも重要な仕事です。細やかな積み重ねをしていく中で、お客様の元で今後どんな製品が開発され、JARとしてどんな鍛造ロールを提案していけるかなど、次の商談へとつなげていきます。

ものづくりチームの一員として、会社の代表として

鍛造ロールの製造現場

チームの力を結集し、ものづくりをする

社会や暮らしを支える製品に欠かせない鍛造ロール。この製品をつくるには、非常に多くの人が関わっています。設計・開発、技術、工場の製造部門、品質保証、サービス、そして私たち営業が、ものづくりのチーム。全員で力をあわせて大きな鍛造ロールをお客様の元にお届けします。

 

中でも特にチームの力を感じた仕事があります。

 

これまでに弊社の製品の導入実績がないお客様がいました。

定期的に訪問する中で、ある時、大手高炉の主力製品である自動車鋼鈑を製造する冷延ラインの一部でトラブルが多発しているという情報が入りました。トラブルの原因と思われる事象を探っていく中で、新製品の「一体型ハイスロール」が提案できれば、解決につながるのではないか?と思い立ちました。「一体型ハイスロール」は、芯となる部分と外装となる部分とが一体型になっており、従来の製品よりも、破損に強い高品質の鍛造ロールとなります。ただし、お客様にとってJAR新材質の導入ははじめて。導入したとして、トラブルを解決できるものなのか、いくつかの懸念材料がありました。

各部門へ協力を仰ぐために奔走する

まず私は、品質保証部のサービスグループに掛け合い、共にお客様の元へ向かいました。どういった材料を使った鉄鋼材なのか、どういうタイミングでトラブルが多発しているのか、トラブルなく鉄板の製造を進めるためにはどういった要件が必要なのか…。詳しく確認していきました。実績がない分、JARの製品の技術的な部分を、研究開発部門や品質保証部門からもできる限り開示し、弊社の製品の導入への不安材料を取り除いていきました。

 

もうひとつ大きなポイントとなったのは納期です。お客様が求めるのは、少しでも早いトラブルの収束。となると、いかに早く製品を納品できるかが取引の鍵となります。「一体型ハイスロール」を提案した理由には品質もありますが、他の製品より短期間で納品できるという利点もありました。さらに、早ければ早いほどお客様にとっていいということで、茨城県ひたちなか市にある本社工場と何度も相談をしました。様々な取引先への納品がある中、納期を短縮するのは簡単なことではありません。しかし、細やかに製造工程を工夫するなど、製造の現場にも頑張ってもらうことで、当時8ヶ月ほどかかるところを5ヶ月ほどで納品できるようになりました。結果、これが取引の決め手となったのです。

納品と共に、確証試験を実施

ただし、鍛造ロールは納品先の要望によってカスタマイズする製品であることと、お客様が元々お持ちの圧延機との相性もあり、実際にスムーズに稼働するかは、設置し稼働してみないとわかりません。万一不具合があれば、せっかく得た信頼を失う可能性もあります。今後の長い取引を見据えて、納品と同時に技術部と品質保証部で確証試験も実施。実際に稼働した上でのデータを報告し、これなら大丈夫だろうと安心していただくことができました。

部署を横断したチームプレーが信頼を獲得。継続的な取引へ

このように、「質」と「納期」というふたつの重要なポイントでお客様の要望を叶えることができ、JARとして信頼を勝ち取ることで継続的な取引へとつながっていきました。これはそれぞれの現場の努力があってこそ。私自身もできる限りスピーディーに対応しようと奔走する中で、JARというチームの力を感じました。

 

そしてこれから、得た信頼をどう継続していくかも、営業として重要な仕事。今まで以上にお客様との関係性を構築し、お客様が抱く課題感や潜在的なニーズをキャッチして、JARの各現場へつなげていくことが求められます。この信頼はしっかりと守っていきたいと思います。

自分の仕事とこれからの鉄鋼業界

いつも心にあるのは「尊敬」と「誇り」

社内の各部門で働く同僚は皆ものづくりのプロフェッショナル。常に尊敬の念をもって接しています。納品先でトラブルが生じた場合はお客様のところへ行き調査をさせていただくのですが、品質保証部や技術部も現場に来る場合は、できる限り付き添い、作業の様子をじっくり見て学ぶということも心がけています。知りたいことがあればどんどん聞きますが、事前に自分でも調べてからいくことは不可欠。そうすることで、踏み込んだ質問ができ、より実のある時間になります。

 

一方で、お客様のことを一番知っているのは私自身だという誇りを持ち、仕事に向き合っています。日々お客様の元へ行き、足を使って様々な情報を得るのは自分。お客様の多岐にわたる要望に対し、JARのどの部門に協力を仰ぐか。何を提案するのか、受注の内容や納期調整、その後のサービスフォローなど、自分の力量が会社の売り上げを左右します。そんな責任を背負いながら、JARの代表としてお客様の元へ向かっています。

新たな鉄鋼業界をどう生き抜くか

国内の鉄鋼産業は全体としては縮小傾向にあります。しかし、業界全体で、高付加価値のものを作る流れへと変化しています。たとえば、より軽量かつ頑丈な素材や、電気エネルギーを高効率に変換できる電磁鋼板など、「質」に特化していっています。私が担当する西日本地域でも、次々と新たな製造ラインが立ち上がっており、その動きは活発になっています。

 

つまりそれは、JARにとってもビジネスチャンス。高付加価値の鉄鋼材にふさわしい鍛造ロールを開発・供給し、この動きに乗るほかはありません。JARとして、売り上げもしっかりと守り、さらに新たな時流に乗った取引をつくることで、会社としてのものづくりを牽引していくこと。これが、今目の前にある私の目標です。

Column:休日は子育てに全力で

5歳と1歳の子どもがいて、休日には一緒に過ごす時間を大切にしています。自宅から宮島が近いので、先日は紅葉を見にいきました。長男は乗り物が好きなので、路面電車や船に乗るのも楽しんでいます。こどもと一緒に全力で遊びながら、貴重な家族時間を満喫することが何よりのリフレッシュとなります。

取材を終えて|広報部より

今回はJARの中国営業グループで西日本地域の営業を担当する野津田さんにお話をお聞きしました。

 

一口に営業といっても、仕事の中身は様々ですが、野津田さんはチームの力でものづくりに向き合う営業。様々な部門の協力を仰ぎ、チームを束ねながら、お客様の要望に応えていく姿に、その醍醐味を感じることができました。また、大きく動く鉄鋼業界で、野津田さんの所属する中国営業グループは重要な拠点となります。野津田さんの活躍が今後のJARを支えて行くのだと感じました。

 

東京貿易グループでは、さまざまなキャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。

Recruit 募集要項|東京貿易グループ / TOKYO BOEKI GROUP (tokyo-boeki.co.jp)

 

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