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中途同期対談:教科書のないニッチ業界で、どう力を磨くか?“掛け算の営業所”をつくる挑戦

高圧ガス関連のコンプレッサーやポンプを扱い、社会インフラを下支えしている東京貿易メカニクス(以下 TMX)。エネルギーや産業ガスの供給に関わる設備は、製造業やエネルギー分野をはじめ、社会のさまざまな場面で欠かすことのできない存在。その事業領域は専門性が高く、体系立てて学べる“教科書”があるわけではありません。だからこそ、一人ひとりが自ら吸収し、考え、動く姿勢が求められる世界です。

今回ご登場いただくのは、ほぼ同時期に入社した二人。異なる経歴を持ちながら、このニッチな業界に飛び込みました。切磋琢磨しながら力を磨き、営業としての可能性を広げていく――その現在地と、これから目指す姿を語ってもらいました。

  • PROFILE

    TMX 営業(産業ガス関連担当)

    前職ではカメラ関連業界で営業として十数年従事。35歳を機に異業種へ挑戦し、2025年に中途入社。現在は水素・アンモニアなど産業ガス関連案件を担当し、専門性の高い分野で提案営業を行っている。

  • PROFILE

    TMX 営業(LPガス関連担当)

    新卒で不動産業界に入社後、お笑い芸人への挑戦を経て2025年に中途入社。現在はLPガス関連分野を担当。更新需要案件を中心に、顧客対応からメーカー調整まで幅広く担っている。

Q1|なぜ、この“ニッチな業界”を選んだのですか?

私は新卒で不動産営業を経験したあと、学生時代からの夢だったお笑い芸人に挑戦しました。根底にあるのはずっと「人を喜ばせたい」という思いです。ただ、お笑いの世界は想像以上に厳しく、将来を現実的に考えたときに、一度立ち止まる必要がありました。

そのときに考えたのが、「影響力とは何か」ということでした。自分の名前が出なくても、多くの人の日常を支える仕事はできるのではないか。TMXの仕事は、目立たないけれど社会インフラの一部を担っている。しかも高圧ガスという専門性の高い領域で、簡単には代替されない世界です。ニッチだからこそ、自分の価値を積み重ねられる。そう思い、挑戦を決めました。

一番のきっかけは、「このまま同じ業界にいたら自分の成長が鈍化するかもしれない」と感じたことです。大学卒業後から十数年、カメラ関連の業界で仕事をしてきました。任される領域も増え、大抵のことはできる。でもその一方で、「自分は今、どれだけ伸びているのか」と問われると、はっきり答えられない感覚があったんです。35歳という節目もありました。このまま同じフィールドで年齢だけを重ねるのか、それとも一度リセットするのか。選んだのは後者でした。

高圧ガス関連の機器なんて、それまで触れたこともない世界です。危険物を扱い、安全基準も厳しい。簡単に調べれば答えが出るわけではない、専門性の高い領域です。だからこそ、自分の思考や判断力が問われる。そういう“ニッチな業界”に身を置けば、もう一度自分を鍛え直せると思いました。

Q2|入社して直面した“この業界の難しさ”とは?

一番のギャップは、営業のやり方が“仕組み化されていない”ことでした。前職では、営業プロセスや資料がある程度整っていて、再現性のある動き方ができました。でもTMXは違う。案件ごとに条件がまったく異なるので、前例がそのまま使えないことが多いんです。
私は水素やアンモニアなどの産業ガス関連を担当していますが、扱うのは高圧ガスを圧縮・移送するコンプレッサーやポンプ。危険物を扱う以上、安全基準や法規制の理解が不可欠です。しかも、テストプラントのような新規性の高い案件も多く、「これが正解」という答えが用意されていない。

入社当初は、「どこまで自分が判断していいのか」が分からず、慎重になりすぎることもありました。営業部は一人ひとりのスタイルが確立されていて、やり方もそれぞれです。営業会議や日々のやり取りの中で、先輩方の判断の背景を聞く機会も多く、その積み重ねが少しずつ理解につながっていきました。
だからこそ、自分なりに腹落ちするまで理解しないと前に進めない。その点に一番戸惑いました。

そこは本当に同じでした。最初は“何を基準に判断すればいいのか”が分からず、自信を持てない場面も多かったです。
私が担当するLPガス業界は歴史が長く、更新需要が中心です。価格にも非常にシビアですし、特に近畿エリアでは「顔を出すこと」や関係性の構築が前提になります。そこに入っていく難しさを感じました。

営業というと“売る仕事”を想像していましたが、実際は違う。法令の確認、メーカーとの調整、顧客との折衝まで含めて、自分が商流のハブになる。書類一つが遅れれば、案件全体が止まる。責任の重さに戸惑いもありました。

「教科書がない」というのは、まさにそうですね。

はい。ただ、その分、自分の考えで動ける余白も大きい。戸惑いと同時に、裁量の大きさも感じていました。
もちろん、すべてを一人で抱えるわけではなく、営業会議や日常の報告の中で上司や先輩に相談できる環境があります。任されながらも、必要なときには支えてもらえる。その距離感がTMXらしいと感じています。

Q3|自分の力が問われた瞬間は?

入社して1か月ほどで、圧縮機に水が混入するトラブル案件を担当しました。顧客とメーカーの見解が食い違い、責任の所在も整理されていない状態でした。私自身、まだ業界経験も浅く、全体像を完全に理解できているわけではありませんでした。
ただ、そのまま議論が平行線のままでいることのほうが危険だと感じました。高圧ガスを扱う以上、判断の誤りは安全にも直結します。誰かが整理しなければ、前に進まない状況でした。まず仕様書や契約内容、過去のやり取りをすべて読み返し、「事実」と「推測」を徹底的に分けました。原因の仮説を立て、メーカーにも何度も確認を重ねる。感覚ではなく、論点を分解して構造で理解することを意識しました。

入社して早々、重い案件。でもそこに冷静に挑むのがさすがです。

焦っても状況は変わらないので(笑)。最終的に折衷案を提示でき、受注につながりました。この経験で、「難しい局面ほど営業の本質が出る」と感じました。
いまも案件に向き合うときは、まず論点を分解するところから始めます。あのとき身につけた“構造で考える癖”が、今の自分の土台になっています。

私の転機は、法令解釈をめぐる書類トラブルでした。顧客と社内で見解が食い違い、それぞれに根拠がある状況でした。どちらの立場も理解できるからこそ、安易に判断することはできませんでした。
まず関連法令や通達を徹底的に調べ、メーカーにも確認を重ねました。条文のどこが論点なのか、解釈の幅はどこまで許容されるのかを整理し、複数の代替案を用意しました。それぞれのメリットとリスクを説明できる状態にしてから、顧客に提示しました。

コミュニケーション力の高さが目立ちますが、吸収力もすごいです。

話すことは得意ですが、このときに必要だったのは地道な積み重ねでした。整理し、整え、相手の立場に立って伝える。そのプロセスを経て、営業とは“売る人”ではなく、“流れを整える人”なのだと実感しました。
このことに気付いてからは「誰と誰の間に立っているのか」を意識しています。影響力とは目立つことではなく、立場の違う人をつなぎ、前に進めること。その役割を果たせる営業でありたいと思っています。

Q4|お互いの存在は、どんな存在ですか?

入社してすぐは同期がいなかったので、「ゼロ年目の仲間」ができたのはとても嬉しかったです。年齢は一回り違いますが、未経験でこの業界に入った立場として、同じ目線で話せる相手がいるのは大きかったです。
会議後や昼食のときに、「あの案件はどう攻めるか」「価格はどこまで詰められるか」といった話をよくします。単なる情報共有ではなく、自分の意見を持ったうえでぶつけ合う。本音で話せるからこそ、視点が広がる感覚があります。
切磋琢磨というより、考え方を隠さず言い合える関係。いい仕事仲間だと思っています。

自分にとっても存在は大きいです。日々感じることを壁なく話せる相手がいるのは、正直かなり心強い。
意見が対立することもあります。でも感情ではなく、理論で話せる。一度ゼロにして、「合理的に考えたらどうか」と議論できる。それがすごくやりやすいですね。

経歴もタイプも違います。でも、自分を成長させたいという気持ちは共通している。だからこそフィーリングが合うのかもしれません。
自分の思いつかない発想を投げかけられると、「それはなかったな」と素直に思える。その刺激が次の行動につながっています。

吸収力は本当にすごい。自分はロジックで詰めるタイプですが、固定観念にとらわれない発想には学ぶことが多いです。
上司からも「とっぴもないことでもいいからどんどんアイデアを出せ」と言われています。だからこそ、二人でフラットに意見を出し合いながら、営業所や会社の力になっていきたいと思っています。

Q5|教科書がない世界で、どうやって“実力”を積み上げてきましたか?

座学で体系的に教わる場はありません。入社して数日後には先輩社員について商談に出ていました。分からないまま現場に立つことも多かったからこそ、「分からないことを放置しない」という姿勢だけは徹底しています。
お客さまの前で答えられなければ、その場で曖昧にせず持ち帰る。そして自分で調べ、必要であれば技術やサービスの担当、先輩に確認し、できるだけ早く返す。スピードと正確さ、この二つを意識してきました。そうした積み重ねが、一番の勉強だったと思います。
早い段階でトラブル案件を任されたことも大きな学びでした。一度本気で向き合うと、知識の吸収量がまったく違う。だからこそ、同じように困る人が出ないように、よくある質問や対応を整理しておきたいと考えています。人が増えたときに、属人的にならない土台をつくることも、自分の役割だと思っています。

自分も、頭で覚えるというより“体で覚えてきた”感覚です。製品を理解しなければ営業はできないので、メンテナンス担当の方にお願いして、分解作業に同行させてもらいました。実際に目で見て、触れて、現場の空気を知る。その経験が、説明の説得力にもつながっていると感じています。
加えて、液化石油ガスに関する資格の勉強も続けています。机上で覚えた知識が、現場で「あれはこのことか」と結びつく瞬間がある。その繰り返しで、点だった知識が線になってきた実感があります。

教科書がないからこそ、自分で動いた分だけ身につく。遠回りに見えても、“使える筋肉”が早くつく世界だと感じています。

結局、「知識がある人が強い」というより、“分からないことを放置しない人が強い”。聞く、調べる、現場で確かめる、そしてすぐ返す。その連続で、ようやく土俵に立てるのだと思います。

Q6|これから目指す姿は?

以前は、正解を探す立場でした。でも今は、どう判断するかを自分で考える場面が増えてきています。まだ迷うこともありますが、「任せてみよう」と言っていただける機会が少しずつ増えてきました。自分の判断で仕事を前に進める。その感覚が、ようやくつかめてきた気がします。

製品理解、法令理解、現場経験を積み重ねる中で、案件そのものだけでなく、「営業所としてどう動くか」という視点で考えることが増えてきました。個人として成果を出す段階から、組織として価値を出す段階へ。少しずつですが、視座が上がってきている実感があります。
将来的には、海外マーケットにも関わっていきたいという思いもあります。エネルギーやインフラに関わる仕事は、国内だけにとどまりません。チャンスが巡ってきたときに迷わず手を挙げられる状態でいたい。世界の人々の生活を支える仕事に関われるとすれば、それは大きな意義があると思っています。

もうひとつ大きな目標は、組織力の向上です。この業界は経験に依存しやすい。だからこそ、個人の中に閉じない形をつくりたい。よくある質問や対応事例を整理し、誰でも判断材料にアクセスできる状態にする。将来的には、それらを横断的に活用できる仕組み――社内で使える生成AIのような形にまで発展させることにも挑戦してみたいと思っています。
教科書がないなら、自分たちでつくる。その姿勢を営業所の“当たり前”にしたいですね。

二人でもよく話していますが、いまはまだ1+1=2。それぞれが力を出している段階です。でも、議論や共有を重ねれば、掛け算の営業組織にできると本気で思っています。
TBグループには多くの会社があります。TMXだけで完結するのではなく、グループ全体と連携しながら、より大きな価値を生み出していく。その中心に、この営業所が立てるようにしていきたいですね。

 

 

Column:観るのも、やるのも。野球が好き

趣味は野球。観るのもやるのも好きです。テレビや配信で年間で300試合以上は観ています。いまも草野球チームに所属していて、春のリーグ戦が始まると試合が続きます。野球の魅力は、どんな状況からでも逆転の可能性があるところ。時間制限がないので、9回ツーアウトでも、理論上はまだ終わっていない。最後の一打まで可能性が残っている。その緊張感と面白さが、ずっと好きなんです。

 

Column:淡路島にできた新しい居場所

月に一度は淡路島に行っています。昔から髪を切ってもらっている美容師さんが島でお店を始めたことがきっかけです。通ううちに、ただ髪を切るだけではなく、島の人たちとつながる時間そのものが楽しみになりました。地元の飲食店を教えてもらったり、格安で宿を紹介してもらったり。砂浜を借りたイベントに遊びに行くこともあります。新しい場所に足を運び、新しいコミュニティに入っていく。その中で自分の居場所が増えていく感覚が、とても楽しいですね。

取材を終えて|グループ広報部より

教科書のない世界で力を磨く――それは決して容易なことではありません。体系化された正解がないからこそ、自ら問いを立て、吸収し、行動する姿勢が求められます。

今回の対談を通じて印象的だったのは、二人が「個人の成長」にとどまらず、「組織としてどう強くなるか」を語っていた点です。経験を共有資産に変えようとする視点や、営業所を掛け算の組織へと進化させようとする意志には、TMXのこれからの可能性が凝縮されています。

ニッチな業界であることは、制約ではなく強みでもあります。専門性の高さと社会インフラを支える責任。その両方を自覚しながら、東京貿易グループの行動指針である 「開拓力」「共創力」「突破力」を持ち、自律的に成長する人材がいることこそが、TMXの価値そのものだと感じました。ここからどんな掛け算が生まれていくのか。その挑戦の姿を、これからも発信していきます。

 

東京貿易グループでは、さまざまなキャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。

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