社員インタビュー:生み出すのは、MADE IN JAPANの精巧なものづくり
日本のものづくりの中でも、世界的企業が揃う自動車業界。数万点の部品から成り立つ自動車の精密・精巧な高い品質に貢献するのが東京貿易テクノシステム(以下TTS)です。
TTSが提供する各種三次元測定機や非接触3Dスキャナと測定システムは、開発や製造、品質保証など様々なものづくりの現場で利用されています。
今回インタビューをするのは、業界では有名なソフトウェアの開発リーダーを務める小川さん。世界に誇る日本のものづくり品質を支えるソフトウェア開発についてじっくりと話をお伺いしました。
この記事でわかること
・TTSについて
・自動車業界で浸透する「3D-Magic REGALIS」とは
・ソフトウェア開発の面白さ
・TTSの最新技術への取り組み
-
PROFILE
小川 正博 Masahiro Ogawa
東京貿易テクノシステム株式会社
デジタルソリューション領域 ソフトウェア開発チーム
チームリーダー
2005年テービーテック株式会社の三次元ソフトウェア開発部門(現 東京貿易テクノシステム株式会社)に入社。ソフトウェア開発未経験からスタートし実務経験を積み、現在はソフトウェア開発のチームリーダーとして、10人のメンバーと自社のメインパッケージソフトの「3D-Magic REGALIS」を主に開発している。最新技術を取り入れ、日本の精巧なものづくりを支えている。
目次
・ソフトウェア開発という形のものづくり
・精密な部品ひとつひとつを見極める技術
・ものづくりを前へ。TTSが見据える未来とは
・コラム|最高のリフレッシュ
・取材を終えて|広報部より
ソフトウェア開発という形のものづくり
自分の手で何かを作りたい。思いだけで飛び込んだソフトウェア開発
大学は工学部の土木工学科。昔から兄の影響もあり建築に興味がありました。大学では、材料力学、構造力学、水理学、土質力学など土木に関することを学びました。
就職活動では建築に少しでも関わる分野へと、ガラスの総合商社へ入社しました。営業として外回りの日々、建築に関わる仕事には就いたけれども、自分の手を動かして、作り上げたものを世の中へ届けたい。自分の根底にある「自分の手で何か生み出すことを仕事にしたい」という思いに改めて気付き、転職を決意しました。
転職活動をする中で出会ったのが、現在所属する東京貿易テクノシステム株式会社(当時はテービーテック株式会社。後に三次元ソフトウェア部門は東京貿易テクノシステム株式会社へ吸収分割)でした。自分の手で生み出す仕事をしたい。この希望が「ソフトウェア開発」という形で叶ったのです。
当時はプログラミングに関してはまったくの素人でしたが、自分のスキルを高めるため、コツコツ勉強するのは向いていると自負もありました。面接ではその熱意が伝わり採用となったようで、それを聞いた時には、とても嬉しい気持ちでした。
入社後は何も分からない状況から、トレーニングを重ね、プログラム言語を習得していきました。与えられた課題をこなすうちに、1年もするとプログラミングも理解し、プログラミング自体も好きだと感じるようになりました。入社前のスキルは人によって様々ですが、TTSでは入社後にしっかりと身につけていくことのできる環境が整っていると思います。
精密な部品ひとつひとつを見極める
世界に誇る日本の自動車産業に浸透するソフトウェア
私たちTTSは、三次元測定機という三次元で“物の形”や“大きさ”を正確に測るための機械と、測定されたデータをパソコン上で処理するためのソフトウェアを提供しています。
3D-Magic REGALISは、建機、航空、鉄道、家電、素材分野、官公庁などの業界でも広く使われており、最も歴史と実績があるのが自動車業界です。
世界的な自動車メーカーから、部品を製造・供給する部品メーカーまで、自動車に関連する様々な現場で使われています。
自動車は、2万点〜3万点とも言われる部品が合わさって1台の自動車になっていきます。ひとつひとつの部品が正しく作られているのか、組み立てられた自動車が設計図通りにできあがっているか…自動車が完成するまでの様々な行程を、三次元測定機とソフトウェアで厳しくチェックしています。
その高い品質で世界をリードしている日本の自動車産業。少しの誤差も許されない中で、スピーディーに精密に各部品を測り、ソフトウェアでチェックする。日本が誇る自動車産業の現場には、TTSの技術があるのです。
個性を活かしたチームづくり
現在私はソフトウェア開発部門のチームリーダーとして、10人のメンバーと共に自社メインパッケージソフトの「3D-Magic REGALIS」を主に開発しています。
一般的には馴染みの無いソフトですが、製造業の現場、特に自動車業界においては、広く浸透しているソフトウェアです。
一口にソフトウェア開発といっても、操作画面のデザインといった表に見えるものから、測定データを3Dにモデリングするためのプログラムやアルゴリズムの設計といった裏側まで、何百という機能を支える膨大なプログラムが走っています。
製品の開発自体にももちろん関わっていますが、メンバーそれぞれの得意分野や興味にあわせ、任せる業務を割り振るのもチームリーダーとしての重要な責務です。
自ら考え、自ら動けるようにと、日々考えながら接していますが、メンバーの成長を感じることは何より嬉しいものです。ソフトウェア開発も、作るのは人。どんなことを実現したいのか、壁にぶつかっていないか、より成長するにはどんな挑戦が必要か…など、1対1で面談し、会話を重ねながら1人1人に向き合っていくことが私のモットーです。
現場を知り、開発へつなげるエンジニア
私たちのもとには、顧客である日本中のメーカーから様々な要望や希望が届きます。
パッケージソフト開発だけではなく、顧客のものづくりに合わせたパッケージソフトの最適化やカスタマイズといった開発も日々の業務です。
「こういった作業を自動化できないか」「この工程に合わせたソフトウェアに変更して欲しい」
受託案件を担当する場合は、ものづくりの現場に入り、製造工程を実際に見て、そこで作業する人の声に耳を傾け最適化やカスタマイズを行っています。パッケージソフトの開発でも、ユーザーサポート業務を担当するチームからの情報やユーザーとの定期的なミーティングを行い、ニーズを把握し、開発に活かします。
机上だけの開発ではなく、現場の声を聞き、自分の開発がどうものづくりを変化させるのか体験できます。
ものづくりの現場での経験を積み上げること。ユーザーの声を聞き続けること。2つを続けることで現場から支持され続けるソフトウェア開発につながっているのだと思います。
自分が開発、あるいは、カスタマイズしたソフトウェアが、顧客の下でどのように使われているのか、どう喜ばれるのか。ぜひ多くの若手に実感して欲しいですね。
ものづくりを前へ。TTSが見据える未来とは
最新の技術を取り入れて更なる進化を
テクノロジーの進化はとても早く、常に新しい技術が登場します。例えば今なら、AIやメタバースといった領域です。
こういった新技術を自分たちの開発に取り入れられないか、共にテクノロジー業界で大きな話題となる前からTTSでも着目してきました。
2024年度からは、ソフトウェア開発チームから最先端技術に強い二人のメンバーが、新しく立ち上げられた「先行開発チーム」に配属されました。仮想空間で車の光源検査を行う「3D-MeasureVerse(メジャーバース)」の開発や最先端技術の研究など、それぞれのスキルを発揮しています。
今までなかったテクノロジーを応用できれば、劇的な効率化や自動化も実現できる可能性があります。だからこそ、TTSは新しい技術の研究開発にも積極的で、会社全体で取り組む姿勢があります。
ものづくりに大きなインパクトを与える新ソフトウェア
今、ソフトウェア開発チームが力を注いでいるのは<REGALIS Fusion>という新たなパッケージソフトです。REGALIS Fusionは、シミュレーションの高精度化を意味し、フィジカル(現物)とバーチャル(仮想)を融合しスマートマニュファクチャリングを実現します。
設計値から生成したシミュレーションモデルに、測定による現物の精度を反映することで、シミュレーションの精度が向上。
また、部品の形状検査に使う現物の検査治具を、仮想の検査治具に置き換えて検査することも可能になります。
現物の検査治具を製作する納期やコスト、それらを維持するメンテナンス作業や保管場所などの負担を大きく低減することができるのです。
これにより、開発のスピードが速まったり、製造工程の効率性の改善など、ものづくりの現場に与えるインパクトはこれまで以上に大きいものになるでしょう。
TTS のソフトウェアは多くの現場で使われているからこそ、私たちの進化の先に、世界で戦う日本の製造業の進化がある。
MADE IN JAPANの品質を支えているという誇りを胸に、日々ソフトウェア開発に向き合っていきたいと思います。
これからの担い手となる人へ
ソフトウェア開発も日々進化し、新しい技術は次々に世に出ています。
だからこそ、自分のこれまで学んできた経験はもちろん大切ですが、それだけに固執しない柔軟性がより求められる時代になっていくと思います。
プログラムを学び、自らのスキルを高めていくことは前提として必要とされます。
それに加え、新しいこと、可能性を感じられることに軽やかに挑戦する行動力があれば、より活躍することができると思います。私自身もチームを率いる者として、そんな環境を作っていくことがこの先の目標です。
Column:最高のリフレッシュ
昔からスポーツが好きで、2023年2月までは少年野球のコーチもしていました。そして今、もう一度自分自身の体を動かしたいと、ランニングを始めました。まずは2kmくらいの距離からスタートし、1年ほどでMax30kmくらいの距離を走れるようになりました。トレーニングを重ね、ハーフマラソンであれば、1km4分45秒ペースで走れるほどに。同僚とともに「今日は10キロ走った」「次はあの大会を目指したい」など、LINEで刺激し合いながら取り組んでいます。
東京貿易グループにはジョギング部があり、TTSの仲間でリレーマラソンの大会にも出場。しんどい時もありますが、仲間と励まし合いながら、目標に向かって頑張っていく。このスポーツで味わう爽快感が、最高のリフレッシュになっています。
取材を終えて|広報部より
今回はTTSのソフトウェア開発チームでリーダーを務める小川さんにお話をお聞きしました。
特に印象的だったのは、顧客となるものづくりの現場の声や経験を大事にしている点。
コードがかけるだけではなく、現場を知り、問題や課題を想像して解決するエンジニアになれる環境が整っていると感じました。
ソフトウェア開発エンジニアのみならず、自分の手で何かを生み出したい、ものづくりの現場に身を置きたいと思っている方にも是非見ていただきたいと思います。
東京貿易グループでは、さまざまなキャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。
Recruit 募集要項|東京貿易グループ / TOKYO BOEKI GROUP (tokyo-boeki.co.jp)
あわせて読みたい