東京貿易グループの歴史3
創業者、戦地へ。そして帰国。
三菱商事に入社したのもつかの間、1年ほどで松宮は中国北部の戦線に送られました。
その後日中戦争は太平洋戦争へと拡大、松宮は転戦を繰り返し、最後はボルネオで終戦を迎えました。
5年半ぶりに日本に帰国してみると、その荒廃ぶりは目を覆うばかりでした。
日本は1945年8月15日にポツダム宣言を受け入れ、無条件降伏。
日中戦争以来8年間の戦争で失ったものは甚大でした。
「領土の約45%、国富総額の41.5%を喪失したうえに約185万人もの尊い命が失われ、負傷者を含む罹災者は約875万人。戦費は累計1,745億円を費やし、さらに政府は1,232億円の戦時国債と1,047億円の戦時軍需補償の債務を負っていた」
と当時の資料にはあります。
失業者の群れとわずかな配給米にも事欠く食糧危機の日本に帰って来たのでした。
これからどうする・・・
途方に暮れながらも、あきらめない男、松宮の奮闘がはじまります。