東京貿易グループの歴史5
東京貿易、誕生!
1947年当時、日本は連合国軍による支配下にありました。連合国の日本占領政策は軍事能力の破壊と徹底的な民主化だったので、政治、経済にも大改革が行われました。その1つが三井、三菱、住友などの財閥解体です。同年7月3日付けでGHQより財閥解散の覚書が発出され、11月30日付けで清算となりました。ちなみに創業者、32歳のころです。
それまで会社を離れるなんて考えもしなかった彼は迷いました。
そんな時、ふと立ち寄った東京駅近くの占い。『不思議なもので、困った時には占いでも見てもらおうかという気になった』そうです。すると占い師の女性から『ははあ、あなたは今人生の岐路ですね。今非常に大きな会社にいるけど、この会社はなくなりますね。これを機会に自分で事業を始めなさい。』といわれたのです。
『どうにかしなければと思っていた背中を押してもらった気がした』と後に松宮は語っています。
世の中は戦後の傷もいえていない、混乱状態。何をやったら皆目見当もつかない状態で、松宮ができることといえば、いままでの経験がある貿易業しかありませんでした。
そして同年10月、妹からもらったピアノを売却して得た7万円と、見せ金としてかき集めた12万5000円で資本金19万5000円(2019年CPI換算で約370万円)、「株式会社 東京貿易商会」が設立されたのです。