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次世代を育む  大学と企業のできること                   関西大学 山田教授×東京貿易グループ 坪内社長 対談   (後編)

若い世代の皆さんへの思いはあふれるばかりのお二人。

こんにちは。弊社(東京貿易ホールディングス株式会社)坪内秀介社長と関西大学 教育推進部 山田剛史教授の対談の後編をお届けいたします。後編は企業は面接で何を見るのか、という具体的なお話や失敗のとらえ方など盛り上がりました。それではどうぞ。

 

山田さん:大学と企業の境界をもっとなくして学生が社会とかかわって、また社会も大学に入り、一緒に若者を育てることで、社会の発展を遂げていくみたいな世界、いいですよね。一方で、あまりよくない風潮だと思ってるのですが、学生は入学してからすぐに就職のことを強く意識しています。私のところには「インターンシップは1年からいったほうがいいですか?」「資格はなにをとったらいいですか?」という質問がたくさん来ます。コスパ、タイパで判断しがちで、無駄なことはしたくない、失敗はしたくないという気持ちが強いです。坪内さんは学生にこんなふうに過ごしてほしいという期待はありますか?

 

坪内さん:人生でこの大学の 4 年間とか 6 年間、本当に貴重な時間ですよね。まとまった時間を自分の都合で取れるのはこの時期だけのような気がします。 またいろんなことを素直に感動できる頭の柔軟性もある。身体的にも充実していて、いろんな可能性を秘めている 4 年間だと思います。思いっきり自分の興味があるものに対して、チャレンジしてもらいたいと思いますよね。

 

山田さん:でもそれをいうと学生からは「それで就職できるんですか?」と言われちゃう。皆周りをとても気にします。あの人はもうインターンシップに行った、キャリアセンターのガイダンスやセミナーに行った、でも自分は?ととても不安になる。でも結局就職は自分の軸をもっている人のほうが強いと思います。

 

坪内さん:私が面接するのは、ほぼ最終段階なので、学力などはすでにその前に確認されている人たちです。さらに、十分研究されて面接に臨まれていると思うので、完全な素で話しているとは思いませんが、やはり、信念を持っている人の話には惹かれます。話している内容だけでなく、その人が放つエネルギーとか、受け答えの仕方、立ち居振る舞いとか、目や顔つきに惹かれます。この人がうちの会社に入ってくれた時、いいコミュニケーションを同僚やお客様ととってくれるな、と感じたらオファーを出します。

山田さん:そうですよね。学生からすると「じゃあそれってどうやったらできるんですか?」ということになると思います。先ほど、大学教育もずいぶん改革されたというお話をしましたが、その発端は10年ほど前に文科省から大学に対して、人材育成方針(ディプロマ・ポリシー)を明示することが要請されました。知識はもちろんのこと、思考力や判断力、表現力、態度や人間性のような要素をどう育成するか。知識を詰め込むだけじゃない教育が求められています。

坪内さん:いや、難しいですね。誤解がないよう申し上げますが、大学の授業は私もとても大事だと思っています。この時期にしか学べないものはあります。だけどやはり学力だけではだめなんですね。逆に会社に入ってから絶対必要なスキルっていうのは、会社で学べます。だから最終的にその人の持っている素地が大事になってくると考えているんですね。あと、学生時代に学ぶ、実践する、失敗してみる、ことでぜひ経験してほしいことはリーダーシップでしょうか。今、ジョブ型雇用という言葉もありますが、企業で何か専門知識が必要な場合は、外部に助けを求めたり、結構なんとかなります。でも全社を巻き込んで何かを成功させなければならないとき、全社員を束ねられるリーダーシップがある人っていうのはなかなか外部にはいません。リーダーシップを発揮して人を巻き込むことができる人、というのが持続的に企業が繁栄するのに不可欠な人材なのかな、という気がしています。ありきたりな言葉になるのですが、『人間力』ということかと。人間力を持つためには、主体性を持って自律的に行動するということを心掛けるのが近道なのでは、と思います。会社でもよく言うのですが、「自分事として考える」ということですよね。私が社長として、たとえば新しい方針を出すとします。そうすると必ず、「なんだこの方針は」といわれる、また出さないでいると「うちの会社は方針がない」と言われる。どこか評論家気分の人が必ずいるんですね。でもそこでおかしいと思うんだったら変えていけばいいし、自分ならこうする、と言えばいいと思いますね。常々一緒にやっていきましょうって伝えているのですが。先生も学生が自主的・主体的に学ぶということを、すごく大事に考えていらっしゃるじゃないですか。環境を整えてあげると、自主性や主体性は身につくものなのでしょうか?

 

山田さん:身に付きます!まず小さなことから始めて、できたらそれを認める。その小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感の高まり、心理的安全性の確保と相まって、自主的な行動につながります。主体性は自主性よりさらに難しい段階なのでそこに到達するにはもうちょっとステップが必要ですが。今の学生は人の目をとても気にします。自分がミスしたらどうしよう、まわりから変な奴と思われたらどうしよう。それはSNSの影響が大きいです。ちょっと目立って、SNSでたたかれ炎上している人を見ると、絶対自分はそうなりたくないと思ってしまいます。

坪内さん:それは確かに私の時代にはないことですね。失敗から学ぶことって多いんですけどね・・・私も億単位の損失を出したことがあって、その時はめちゃくちゃ落ち込みましたが、それ以来、事業のリスクを冷静に判断することができるようになりましたし、今は部下が同じような難事業に挑戦する背中を押すことができます。

コンプライアンスは大前提として、正しいことを正しくやって、それで失敗してもそれは失敗というか、単にうまくいかなかったねっていうこと。復活戦はあってしかるべきですし、逆に言うと、そこでうまくいかなかった要因や環境を分析して学べたらそれは得なんじゃないかなと思うんです。先ほど先生がおっしゃった、学生失敗したとしても、それで人生が終わるわけじゃないですから。私も営業マン時代に今日は絶対お客さんに怒られるとわかっている日がありました。もう行くのが嫌。逃げたい。でも「死ぬわけではない」と自分を奮い立たせていく。そこでお客様に誠実に謝罪し、考えたリカバリープランを提案し、承認いただいたらそれを必死でやりきる。そうすると不思議なもので、お客様はその様子を見て、「あいつは逃げないやつだ」とかえって信頼を深めてくれるということがありました。逃げたいところを、踏ん張れるか、は人間力を鍛えるにはいい機会だと思います。

 

山田さん:失敗から学ぶことで広がる世界があることをぜひ知ってほしいです。自分の人生をどうするのか、自分ごととして考えてもらいたいなと思います。

 

坪内さん:先ほど先生がおっしゃった、学生が小さな成功を積み上げて自己肯定力を高め、自主的に行動できることで成長することは日本社会にとってはとても大事ですよね。私はこれもよく会社で話をするのですが「自分は何のために生まれてきたのか?」と意識できるかできないかで大きな差が出ると思います。「何のために生まれたか」を意識すると、やるべきことがはっきりするのではないですか?
という私も就職活動のころは細かいことは考えていなくて、ただ「自分は事を成した」と胸を張って言える人生にしたいと思いました。人生で1 番長い時間を仕事にあてるわけですから、仕事で意味をなさないと、自分の人生のほとんどが意味がないっていうことになるのではないかと思うんです。もちろん家庭や友人、いろんなことが大事ですが、 仕事の時間は 1 番長いんだから、ここも充実させないと自分が生まれてきた意味がないじゃないかと。そうすると、こうしたい、ああしたいという自主的に動こうという気持ちになるのではと思います。仕事が嫌で嫌で仕方がなくて、ただ時間が過ぎるのをまっているのだったら、生まれてきた意味ってあんまりない、と思ってるんです。

 

山田さん:私も同じようなことを学生に言いますね。「自分の生きるミッションって何なの?」と。授業では「みんなに平等なのは時間。大谷翔平選手の1分もみんなの1分も同じ。どうでもいい人のインスタ見ていいね押す、その1分も同じ1分」って話したりもします。学生時代ってそういうことを友達を存分に語りあう期間だと思うんですが、それも怖い。そういうのを開放してあげるのが大学という機関の役目なのかなと思います。

坪内さんは関西大学に対しての希望はありますか?

坪内さん:今日キャンパスにうかがって、私の印象よりははるか上をいく素晴らしい大学になっていると感じました。東京でももっと PRすべきだというふうに思います。先生のお話を伺い、学生のこと本当に真剣に考えられて働いているということで、立派な大学だと思いますし、美しいキャンパスと合わせてぜひもっと関大の名を広めてほしいです。

 

山田さん:ありがとうございます。東京で企業経営される先輩がエールをくれてるわけだから、がんばって、東京だけといわず、ぜひ日本に、世界に冠たる関大にしたいですね。

広報室から
対談を終えて

対談後、関西大学の素晴らしいキャンパスを背に記念撮影です。

その後、学食でランチを頂きました。アジフライがすごく大きくて、びっくり!

今後もいろいろなアイデア交換をと再会をお約束しました!

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