社員インタビュー:「人が動く」をつくりだすTOMAX AWARDSから広がる挑戦の設計図
東京貿易グループ(以下TB-GR)ではDXを単なる効率化ではなく、現場の行動に実際に変化をもたらす取り組みととらえて推進しています。TOMAX AWARDSはその象徴であり、組織横断で成果を称えるだけでなく、次の挑戦者を増やす仕組みでもあります。
今回話を聞いたのは、グループDX推進部でAWARDS運営を担当し、「観るイベント」から「自分ごとで関わる場」へアップデートしてきたメンバーです。
正解を待つより、まず投げてみる。その姿勢が、AWARDSという場にどんな変化をもたらしたのか。試行錯誤のプロセスと、そこから見えてきた次の挑戦に迫ります。
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PROFILE
東京貿易ホールディングス(TBH)
グループDX推進部
2025年入社。前職では、スタートアップでのアプリ・Webサービス立ち上げ、不動産ポータルでのWebマーケティング、営業企画、データ解析などに携わってきた。一貫して「人の行動をどう設計するか」を専門領域とし、その視点を活かすプロフェッショナルとして、業界・職種を横断した経験を積んできた。
現在はDX推進部にて、TOMAS AWARDSの運営を中心に、挑戦が生まれ、広がっていく“場”の設計に取り組んでいる。
目次
・一直線じゃないキャリアが、今につながる
・正解は後回しでいい。まずは投げる
・TOMAX AWARDSを越えて、挑戦が回り続ける組織へ
・取材を終えて|広報部より
一直線じゃないキャリアが、今につながる
「人が動く」を追い求めてきた
これまでのキャリアは、いわゆる「一直線」ではなかった。スタートアップでアプリやウェブサービスの立ち上げに関わり、その後は不動産ポータルでのWebマーケティング、営業企画、データ解析と、職種も業界も横断してきた。最初から今の形を目指していたわけではない。できること、そして周囲から寄せられるさまざまな相談に一つずつ応えていくうちに、気づけば関わる領域が広がっていった、という感覚に近い。
学生時代から、関心の中心にはずっとデザインがあった。ただ、見た目を整えることよりも、「人はどういうきっかけで動くのか」「使ったときに、どんな反応が生まれるのか」に惹かれていた。そこには、いわゆるUXデザインやプロダクトデザインの考え方があった。
「きれいにつくるより、触れた人の行動が少し変わるとか、関係性が動くことの方が面白いと思っていました。」
人と人、人と仕組みの間に生まれる“動き”そのものを生み出したい。それこそが、仕事観の原点になっている。
スタートアップに入ってからは、正解のない状況の連続だった。
「これ、どうする?」という問いが飛び交う環境。
「自分にできそうなことなら、まずは引き受けてみる。分からないことも、調べながらやっていました。」
そうして一つひとつ相談に応えていくうちに、役割は自然と増え、デザイン、マーケティング、業務設計へと守備範囲が広がっていった。
その中で、こんな実感が残った。
「制度や理屈がどれだけ正しくても、それだけでは人は動かない。」
人が前向きに関われるかどうかは、説明の仕方や順番、参加の余白に左右される。つくること以上に、「人が動きやすい場」を考える時間が増えていった。この感覚が、その後の仕事の軸になっていく。
できることに応え続けるうち、役割が増えていった
そうしたキャリアを経て、次の選択肢として東京貿易グループを知ったとき、正直なところ、最初は少し距離を感じていた。長い歴史を持つ企業で、堅実で、型がしっかりしている——外から見れば、そんなイメージが先に立っていたからだ。
その印象が変わったのは、面接で出会った、今の部署の上長とのやり取りだった。「今の上長と面接で会話し、すごく“異質”だなと思ったんです」。それは、会社や組織をどう捉え、どう変えていくかという視点の置き方が、これまで出会ってきた人たちとは明らかに違っていた、という感覚に近い。
面接では、TB-GRにおけるDX推進の課題や危機感が、かなり率直に語られていた。
「このままではいけない、という話を、すごく具体的にされていました。」
問題点を挙げるだけでなく、ではどんな考え方で組織を変えていくべきなのか。そのビジョンが、しっかりと見えてきた。
実はその時点では、入社後に自分が担う役割が細かく決まっていたわけではない。
「正直、何をやるかは、固まってないまま入社を決めました。」
それでも不安より期待の方が大きかったのは、完成された枠に入るのではなく、これから形をつくっていくプロセスに関われると感じたからだ。これまで、相談に応えながら役割を広げてきた自分の働き方とも、自然に重なっていた。
正解は後回しでいい。まずは投げる
「成立している」からこそ、感じた違和感
入社後、DX推進部で最初に任された仕事が、「TOMAX AWARDS ※1」の運営だった。
(※1 TOMAX:TOMAS(創業時の社名「東京貿易商会」Tokyo Merchandise Company Ltd.の電信略号)とDXを掛け合わせた造語。さらに、その取り組みを通じて東京貿易グループの持続的成長を実現し、価値提供の最大化(To Maximum)に繋げていくという想いも込められている)
TOMAX AWARDSは、成果が出た業務改善やプロジェクトをグループ横断で共有する場だ。各社の好事例をプレゼンテーション形式で発表し、ナレッジを広げることで、新たなビジネスや改善の種を生み出すことを目的としている。
2022年にスタートし、すでに4回目。枠組みも運営フローも整い、社内での認知も進んでいた。
イベントとしては、きちんと機能している。最初は、そんな印象だった。
ただ、関わる中で次第に違和感を覚えるようになった。
「受賞者は称えられる。でも、それを観ている側が、どこまで“自分ごと”になっているんだろう、という感覚がありました。」
TOMAX AWARDSが“成功しているイベント”であることと、挑戦者を増やす仕組みとして機能していることは、同じではない。もし単なる表彰で終わっているのだとしたら、それはもったいない。
挑戦する人を増やし、行動を後押しする場にできないか。そう思ったときから、この取り組みにもう一歩踏み込んでみたいという気持ちが強くなっていった。
とにかく、ボールを投げ続けた
TOMAX AWARDSを、もっと“参加したくなる場”に高めたい。意識したのは、まず自分がボールを投げ続けることだった。
「正直、全部がうまくいくとは思っていなかったです。でも、投げてみないと始まらない。」
完璧な企画を練るより、まずは小さく試す。反応を見て、また次を考える。その繰り返しだった。
最初に手を入れたのは、社内への広報だった。昼休みには社内放送で見どころを紹介し、会議室モニターに告知を流す。日常の中で自然に目に入る接点を増やしていった。
止まった企画も多かった。それでも、アイディアを起点に運営会議の議論は確実に活発になり、運営そのものが“挑戦する場”へと変わり始めていた。
当日は司会も務めた。進行や問いかけを工夫し、観客席からも声が出るよう働きかけた。
結果、盛り上がりが生まれたTOMAX AWARDSだったと評価された。会場では、参加者同士の質問が交わされたり、後日も、社長の質問・コメントが印象に残ったとの声が登壇者から聞かれた。
だが、結果は単純ではなかった。応募件数は前回より減少し、一般投票数も大幅増とはならなかった。
「正直、数値だけ見れば、うまくいったとは言い切れません。」
それでも、手ごたえはあった。
プレゼンの質は明らかに高まっていた。DX推進部が主催した研修での学びを活かした業務改善が金賞を受賞し、銀賞・銅賞の取り組みも、具体性と再現性を伴った内容だった。さらに、開催後には「TOMAX AWARDSに出ていた案件の担当者に話を聞いてみたい。」という声も多く上がり、新たな交流が生まれていた。
イベントが“その場限り”で終わらず、次の対話につながり始めていた。
「参加者が一気に増えるわけでも、文化が一晩で醸成されるわけでもない。でも、確実に何かが動き始めている感覚はありました。」
それは、数値には表れにくい変化かもしれない。
だが、確かに存在していた。
TOMAX AWARDSを越えて、挑戦が回り続ける組織へ
“盛り上がり”と“行動変容”の間にある壁
今回のTOMAX AWARDSを通して、明確になったことがある。
盛り上がりと、行動が変わることは、別物だということだ。
場は熱を帯び、会話も生まれた。だが、「自分もやってみよう」と踏み出すところまで設計できていたかというと、まだ十分ではなかった。
「人は、納得したから動くわけでも、感動したから動くわけでもないんだと思いました。」
参加したい気持ちがあっても、忙しさや立場、空気といった小さな要因で、簡単に足が止まってしまう。
「マネジメント層の関心なのか。当事者の内発的な動機づけなのか。行動が生まれるポイントは、もっと別のところにある気がしました。」
“最後の一歩”を生み出す条件は何か。
その問いを感覚ではなく、構造として捉え直し、イベント設計に落とし込むこと。
それこそが、DX推進部が担うべき仕事だと、今回あらためて確信した。
「やってみよう」を、設計する
2026年度から、TOMAX AWARDSは「TB AWARDS」へと名称を変え、企画段階から関わることとなる。DXの枠を越え、グループ全体の挑戦を後押しする場へと再設計するための転換だ。
「完成した成功事例だけが並ぶと、“すごい人の話”で終わってしまう。まずは、そこを変えたい。」
完成された成功事例だけでなく、挑戦の途中段階や、迷いながら進めたプロセスにも光を当てる構成を検討している。
前回見えたのは、“盛り上がり”と“自分ごとになる瞬間”のあいだにある距離だった。だからこそ、結果だけでなく、挑戦の途中段階や迷いながら進めたプロセスまで伝えることで、それを見ている社員が「次は自分もやってみよう」と思える状態をつくりたい。
当日の運営も見直す。
役職者に発言が偏らない流れづくり。参加者が自然に声を出せる問いの設計。発表と発表のあいだに、小さな対話が生まれる余白。
その一つひとつは小さな工夫だ。
だが、小さな設計の差が、人の行動を左右する。
「まだ試してみたいことは、正直たくさんあります。」
挑戦を“称える”だけでは、文化は醸成されない。“続けられる状態”をどうつくるか。
「年に一度で終わるイベントではなく、日常の業務に接続していく状態をつくりたいんです。」
TB AWARDSはゴールではない。挑戦が点で終わらず、線でつながっていく仕組みをつくるための場だ。人が動く条件を探り続け、その設計を磨き続ける。そして、自らもまた、最初にボールを投げる存在であり続ける。
その挑戦は、すでに次へと向かっている。
Column:ハイタッチカードを書くこと
グループ内で「ハイタッチカード」という取り組みがあります。これは誰かの行動に対して、称賛の気持ちをカードで送る仕組みなのですが、このカードを書く時間がけっこう好きです。
「何々してくれてありがとう」だけで終わらせたくなくて。 どんな行動が、どう良かったのかを、できるだけ細かく言葉にするようにしています。ただ、真面目に書くだけでもつまらないので、大喜利をいれたり、ラップっぽく韻をふんだり、自分なりのユーモアを混ぜ込んでます。 誰かがちょっと笑ってくれたり、空気が少し和らいだりする瞬間が、昔から好きなんです。
誰かの行動を、ちゃんと見て、ちゃんと言葉にする。そのやりとりが、次の一歩につながればいいなと思いながら、今日もカードを書いています。
取材を終えて|グループ広報部より
今回の取材で強く感じたのは、「正解を示す人」ではなく、「まず投げてみる人」が場を動かしていく、ということでした。制度や仕組みを整えるだけでは、人の行動は変わらない。けれど、アイディアを口にし、反応を受け取り、また次を試す。その積み重ねが、人と人の間に動きを生み、空気を少しずつ変えていく——そのプロセスを、まさに体現していたと感じます。
TOMAX AWARDSは、成果を称える場であると同時に、挑戦が生まれ、次につながっていくための“起点”でもあります。そこに向き合い続ける姿勢こそ、東京貿易グループが大切にしてきた 縦・横・斜めの境界を超えた協業により、新たな価値を生み出すという「共創力」です。
TOMAX AWARDSを越えて、「やってみたい」が自然に出てくる空気を、どう広げていくのか。その問いに対し、これからもボールを投げ続けていく。その姿勢そのものが、次の挑戦を生み出していくはずです。私たち広報部も、そんな挑戦を後押しする存在であり続けられるよう、今後もさまざまな取り組みを発信していきます。
東京貿易グループでは、様々な活躍の場や、キャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。
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