社員インタビュー:中国から日本、そして世界へ。 変わり続けるマーケットの先駆者でありたい。
東京貿易グループの歴史の中でも、関係の深い中国。今回は東京貿易グループで中国との取引の中心を担う東京貿易(中国)
この記事でわかること
・東京貿易グループの中国における事業について
・異国、異文化下での仕事の進め方
・製鉄業界の今後の展望
・世界へ事業を広げる醍醐味とは
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PROFILE
山田 知永 Tomoharu Yamada
東京貿易(中国)有限公司 董事長
2001年 東京貿易(株)新卒入社。海外を視野に「幅広いフィールドで自分の手で商売を作りたい」と東京貿易を志望。入社後は東京貿易マテリアル(株)建材部にてキャリアを積み、2013年より資材部に所属。
2023年4月より東京貿易(中国)有限公司へ出向し、董事長に就任。東京貿易(中国)のトップとして、現地サプライヤーの工場移転プロジェクト、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル対応、中国を起点にした東南アジア・インドといった成長市場への開拓の指揮を執る。
目次
・長い歴史で培った絆で、コロナ禍のピンチを乗り越える
・未来の競争力を生み出す工場移転プロジェクト
・変わるマーケットに対応する。新しいマーケットを作り出す
・コラム|上海でお気に入りのグルメ
・取材を終えて|広報室が感じたこと
長い歴史で培った絆で、コロナ禍のピンチを乗り越える
70年以上の歴史で築き上げた中国での信頼が、私たちの礎になっています
東京貿易グループと中国の関係は1953年から。もう70年以上に及びます。日中国交正常化 が1972年ですから、それよりも前から中国貿易に従事していることになります。私の先輩たちは、中国と日本が国としての関係が不安定な時代から中国とのビジネスにコミットし、さまざまな困難を乗り越え、信頼を積み重ねてきました。現在取引の中心となっている耐火レンガも、35年以上の長期に渡る取引実績があります。中国の耐火レンガ製品を日本という大きな市場に導入した“開拓者”として、中国でも認知を得ています。
1995年には山東省済南市に耐火レンガを製造する合弁会社を設立し、現地の雇用創出にも貢献。さらに中国との信頼を強めてきました。
そして、2022年。特に私がこの中国パートナーと東京貿易グループの深い信頼を体感する出来事が、コロナ禍にありました。
当時中国は厳しいロックダウンと移動制限が敷かれていました。私たちは耐火レンガを国内大手製鉄会社に納めているのですが、この耐火レンガの供給が止まると、製鉄所の鉄生産が止まる可能性があり、ひいては日本の製造業全体に大打撃が出かねません。
つまりそれは、日本製品の輸出ができない、国内インフラの建設や整備ができなくなる、国民の皆様に大変な迷惑をかける…ということにもつながります。そこまで考えると、自分たちの仕事の重要性を改めて痛感し、背筋が凍る思いでした。
「稼働を止めるわけにはいかない」。必死になる我々と思いを一つに、中国のパートナーも動いてくれたのです。
コロナ禍で乗り越えたことで深まる絆。そのバトンを、さらに先へ。
移動制限が敷かれていた中国現地。その中においても製造を続けるには、自宅に帰らず、工場に滞在するしかありません。この厳しい状況下で、工場長以下多くの人たちが工場に寝泊まりしながら、日本向けに耐火レンガの生産を続けてくれたのです。
当時私は、中国パートナーの製造、輸出スケジュールと日本のお客様への供給調整をギリギリの綱渡りで続けていたのですが、この時ほど彼らとの深い絆を感じたことはありません。彼らにはもちろん中国の顧客もいるのですが、どこも苦しい中で私たちの製造を優先し、懸命に動いてくれました。
これには、心の底から感謝しています。彼らの誠意のおかげで、日本への供給を止めることなく進めることができました。この結果、日本のお客様から表彰されるほど、大きな評価を受けました。私もとても誇らしく、嬉しい気持ちになったのを今も忘れることができません。
コロナ禍という、未曾有のピンチを乗り越えたことで、以前にも増して中国パートナーとの絆は強固なものとなりました。そして、私が2023年4月よりTBCNへ出向し、トップである董事長に就任。70年の歴史をより強く、先に進めるためのバトンを受け取った瞬間でした。
未来の競争力を生み出す工場移転プロジェクト
あらゆる事態を想定して、国の違いを乗り越える
今まさに取り組んでいるのは、中国現地の工場移転プロジェクト。2026年の本格稼働を目指し、目下進行中です。
新しい工場では、コスト的な観点と、エコロジー的な観点の両方を実現することが求められています。例えば、製造工程を効率化することで、コスト圧縮にもつながり、使用するエネルギーの削減もできます。他には工場の屋上にソーラーパネルを設置することも予定しています。
しかし一筋縄にはいきません。TBCNと中国パートナーは良好な協力関係にありますが、文化や風習はもとより、ビジネス習慣も異なります。地政学的な影響からも無縁ではありません。計画的にいかないこともあれば、想定外の出来事も起こります。
でも、それは当然のこと。最初に思い描いた通りにはいくはずはない。そういった心構えをした上で、様々な事態に対してあらゆる準備をし対応していくことが、中国という国で事業をしていく上では必要だと思います。この工場移転プロジェクトが成功すれば、より環境に優しい、より高い品質の耐火レンガを、市場へ供給していくことが可能になる。そしてそれは、日本はもちろん、世界の製鉄業の大きな前進につながっていく。そんな未来を見据えることが、今の私の原動力となっています。
変わるマーケットに対応する。新しいマーケットを作り出す。
世界の最前線に身を置くということ
中国は言うまでも無く世界で屈指の大国。世界トップレベルの製鉄企業を有します。国営企業だからこそ、国としての誇りを持ち、環境課題に対応する製品づくりへの意識が非常に高い。最先端の技術や品質で世界をリードしている様を間近で目にすることは、私自身も非常に刺激を受けます。だからこそ、中国と日本の架け橋である私たちはそれを日本にも広めていかなくてはいけません。
現在、世界中でカーボンニュートラル対応が求められています。鉄鋼業界は産業界では一番CO2を排出しているため、脱炭素の取り組みは喫緊の課題です。その観点をもって日本市場へつなげていくことが、トップとしての私の使命です。中国の先進的な製品をいち早く取り入れ、日本市場にも供給していくことで、日本の製鉄業にさらに大きく貢献したいと考えています。
新しい市場の開拓へ
もうひとつ、重要となるのが東南アジア、インドといった成長市場の市場開拓です。中国の優れた製品を、日本国内だけではなく新しい市場へ広げていきたい。
私自身、東南アジアへの市場開拓は日本在籍時も担当していました。今回、中国への赴任が決まった時「中国からダイレクトに市場開拓することがこの先の競争力になる」と考え、中国への赴任に合わせて、成長市場開拓業務をTBCNに移管することを決断しました。
すでに、インドネシアでは成果が上がりはじめています。ジャカルタ営業所を立ち上げ、インドネシアの業界に精通した現地スタッフと共に、この国に合わせた営業・提案・調達・供給を進めています。まずは、インドネシアで成功体験を積み、東京貿易ブランドを浸透させた上で、東南アジア全域、そしてインドへとマーケットを拡大したいと考えています。
カーボンニュートラル対応製品はこれからさらに進化を遂げていくことでしょう。この最先端の製品を、中国から東南アジア・インドと広げることで、鉄鋼業界の脱炭素を進めることができる。そしてその先にあるのは、地球環境の改善だと信じています。
ここ中国で、まさに変わり続けるマーケット最前線に身を置き、今この時も歴史を積み重ねていく。新たな時代にバトンを受け取った私たちの使命を改めて実感しながら、日々邁進しています。
取材を終えて|広報室より
広報室より、今回はTBCNのトップである董事長の山田 知永(やまだ ともはる)さんにお話をお聞きしました。
東京貿易グループがこれまで70年以上にもわたり積み重ねてきた中国との信頼関係。この信頼の歴史があったからこそ、コロナ禍でのピンチを乗り越えることにつながったといえます。
そして、今まさに起こっている鉄鋼業界の変化に対応し、カーボンニュートラルを推し進めていくことや、東南アジア・インドへと市場を広げるなど、ビジネスの最前線に身を置く醍醐味を感じることができました。
日本でしっかりとキャリアを重ね、海外へとチャレンジができる。日本的企業の良さと、世界最前線でのビジネスの舞台が広がっているのも東京貿易グループの特徴といえるのかもしれません。
東京貿易グループではさまざまなキャリアの機会があります。ぜひ一緒にはたらいてみませんか?お気軽にこちらからお問い合わせください。 Recruit 募集要項|東京貿易グループ / TOKYO BOEKI GROUP (tokyo-boeki.co.jp)
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