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次世代につなぐバトン:山口大学 小川教授x坪内社長 対談(前編)

こんにちは!東京貿易ホールディングス(株)、広報担当です。

今回は弊社代表取締役 坪内秀介と国立大学法人 山口大学 国際総合科学部 小川明子教授の対談をお送りいたします。
企業の社長と大学の教授、お二人とも次世代への思いは熱く、盛り上がるおしゃべりはとどまるところを知らず・・・というわけで今回は前編後編にわけてお送りいたします。ではどうぞ!

同じ世代のお二人。対談中も楽し気に、話題が尽きない様子です。

■東京貿易グループとの縁

・小川先生とのご縁は坪内が社長を務める東京貿易ホールディングス株式会社が、『全国知財創造実践甲子園2022』(以下、知財甲子園)に協賛したことから始まりました。小川先生は山口大学知的財産センターのセンター長でいらっしゃり、また実践知財甲子園の主催者でもあられます。

https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/

この知財甲子園は高校生を対象にしたものなのですが、大学が高校生を対象とした教育の機会を提供するというのは全国でもあまり例をみないことのように思うのですがいかがでしょうか?

 

小川先生:山口大学は文部科学省から、知財教育の拠点と認定を受けていて、すべての年代に知財の教育の機会を設けています。例えば、大学では全学部生に知財教育を一年生から提供しています。また、これらは、社会人の方もオンラインで受講可能にもしています(https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?page_id=2466)。

 

そして知財甲子園ですが高校生を対象にしています。その背景には、現在、中学・高校では総合的な探究の時間としてPBL(プロジェクトベースドラーニング)が導入されていることがあります。生徒が地域社会に出てPBLを行うには、知的財産について知らないとなかなか難しい。例えば町おこしを企画したとして、勝手にロゴを作ったら誰かのと似てたとか、誰かの特許を勝手に使っていたとか、そういうことが起こりうる。そこで高校生にまずは知財のちょっとした授業を、夏休みに一回受けてもらって、知財を知った上、その参加校の方々が、半年間、学校・地域でいろんな活動していただき、年度末にその取り組みを発表する場として提供しています。

 

 

・今、高校生が知財のことを学ばなければならないというのは現代特有の背景があるのでしょうか?

今、高校生は「情報」という教科で知的財産について一通り学びます。それと先ほど紹介したPBL(プロジェクトベーストラーニング)で町の問題等見つけて、それを若い力で解決の糸口を見つけていこうという「総合的な探究の時間」があります。そこで知財の知識が一定レベル必要というのは先に触れてたとおりです。それに加え、彼らが卒業後、社会に出た時においても、仕事に入りやすい機会を提供しているのではないでしょうか。そういうのは私たちの時代にはなかったので、現代的な背景といえるでしょうね。

東京貿易ホールディングス(株)代表取締役社長 坪内秀介 
『事業開発型商社グループ』を目指し、次世代の育成を経営の重要方針に設定。

国立大学法人 山口大学 国際総合科学部 小川明子教授 
山口大学大学研究推進機構 知的財産センター長を務められ、就職支援も注力されています。

・東京貿易ホールディングスは、2年連続知財甲子園に協賛しています。今、小川先生から高校生への教育プログラムもどんどん進化していることを伺い、どのような印象をお持ちですか?

 

坪内さん:大変だな!と(一同笑)

私の場合はちっちゃい時に特許発明したら大金持ちになるぞとか、たわいない話を親と話してわくわくしたような記憶がありますが、今のように知財、商標等、勝手に使ったら法律に抵触するなんていう知識はなくて。やはり社会人になってからですよね。現代特有といえば、SNSを通じて若い世代でも情報拡散が容易にできるようになりました。そこで知財っていうものを全く知らずに、いけないものを拡散してしまったりだとか、使ってしまったりという危険性がありますね。それも知財教育が大事になってきた理由ではないでしょうか?

 

小川先生:そうですね。若い世代にも知財の大事さを訴求しようとマスメディアでも広告が流れていますね。でも多くのものは「違法アップロードをしたら捕まるよ」というだけで、なぜいけないのか、が十分説明されていません。勝手に使ったらこんなに人が困る、社会がこういうダメージを受けるところまで言いたいところですがやっぱりCM15秒じゃ無理。だからこそ丁寧に教えていければと思っています。

 

坪内さん:私たちの若いころは違法コピーもアップロードもするツールもなければプラットフォームもほとんどなかったですね。ところが今や技術的な環境が整ってしまったので知らずに犯罪者になる危険があるわけじゃないですか。そこはちゃんとした知識を与えて、若い世代を守っていかなければなりませんね。       

 

 

■現代就職活動事情とは

・次世代への思いにつながったところで、今、就職活動に直面している世代について伺います。小川先生は山口大学国際総合科学部で就職支援委員長もされております。伺ったところによると、2021年2022年と学部の就職率100%、また2023年度もその予定だとか。素晴らしいことですが学生さんにはどのような就職支援をされているのでしょうか?

 

小川先生:はい、実は先月も山口大学で「お仕事セミナーデー」というイベントを開催し、東京貿易グループさんにも来ていただきました。私も積極的に支援していて今の3年生の場合は去年の9月ぐらいから面談希望者を募り30分ぐらい面談。 その時に「何になりたいの、何したいの?」と丁寧にヒアリングを重ねていくんですね。勤務地を重視している学生がいたとしたら、その希望地にこんな会社あるよとか、キャリアの方向性がわからない学生はヒアリングで「あなた、こういうのきっと向いてそうよ」とアドバイスしたり、また会社のサイズ感はどんなイメージで就職しているのかを明らかにしていきます。なので私がやっているのは支援というより、彼らに自己認識させる手伝い、ほんとに第一歩の背中を押している感じです。

 

坪内さん:大変丁寧に対応されているんですね。私の時代って教授からそんなアドバイスはあったかなあ?覚えているのは、大学の就職課にいったら、募集している企業のノートがたくさん置いてあって。それを調べたり、またリクルート社から5センチくらいの厚さの本が送られてきて、それを調べる・・・。結構自分ですべてやったような記憶があります。

 

 

小川先生:坪内さんは「ガクチカ」ってきいたことありますか?

 

 

坪内さん:・・・聞いたことないです。なんでしょうか?

 

 

小川先生:私も最初わからなかったんですが「学生時代、力を入れたことは何ですか」って企業さんが面接で聞くんですね。それをガクチカと訳しているそうなんです。 だから自己PRを準備する必要があるんですが、企業さまの中には動画でPRしてください、というところもあったり。私などはそういうのはわくわくするんですが*、学生にしてみればもう自分の一生がかかってる!ってすごく緊張するらしいです。ですので、私の方でまずはエントリーシートの添削を毎年200から300枚ぐらいは見ます。

【山口大学OC2023/国際総合学部】学部紹介⑥:就活支援について「巌流島リレーマラソンを走ってガクチカにする」 (youtube.com) 

 

 

坪内さん:素晴らしいフォローですね。私は企業の力は結局、働く社員の力だと思っていて、採用を大変重視しています。今は人手不足ということもあり学生さんの就職は楽勝なのかと思ったら、いや、大変なのですね。先生のご努力に感銘を受けました。東京貿易グループでは応募してくれた方の入社後の不安を取り除くために、皆さんの興味や希望に応えられるようさまざまなコースを用意してインターンシップを実施しています。またインターンシップ後も、インターン参加者限定イベントや早期選考を案内、など対応しています。また就活イベントや大学の就活イベントにもできるだけ参加しています。やはり、入社後モチベーション高く働いていただくには入社前から就活生の皆さんとの対話がとても大事だと考えているので。

 

 

ただ、私のころは就活解禁の大学4年の10月だったので、インターンシップや就職イベントと聞くと隔世の感があります。でも今の学生さんはそんな早い時期からエントリーシートを用意したり自分のやりたいこと、自分の人生を一生懸命考えるんですね。

 

 

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採用、そして入社してからどう学び成長するかの準備など、後編にお話しは続きます!引き続き、ぜひどうぞ。

 

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